ロゴ社会保険労務士事務所 人事労務センター

労務に関するよくある質問
それぞれの項目をクリックしてください

(介護保険/保険料)

介護保険制度と介護保険料の徴収


Q:介護保険制度のしくみがよくわかりませんが、どのような制度ですか?

A:

介護保険制度は、介護保険の被保険者が要介護認定や要支援認定を受けた時、介護サービスを受けることができる制度です。

Q:給与から介護保険料が控除されましたが、いつから控除されるのですか?

A:

事業所に勤務され、健康保険の加入者の介護保険料は、「40歳に達したとき」より始まります。

Q:誕生日によって、徴収される月が変わると聞いたのですが?

A:

「満40歳に達したとき」とは、年齢法により40歳の誕生日の前日のことであり、その日が属する月から介護保険料が徴収されます。
各月の1日に生まれた方は、その前日が「達したとき」となり、誕生日の前月から介護保険料が徴収されることになります。

Q:介護保険の被保険者の手続きはとっていませんが、保険料が控除されています。

A:

介護保険の被保険者としての手続きは特にありません。
事業所の賃金計算の際「40歳に達したとき」に自動的に控除されます。

Q:職場の先輩で介護保険料が控除されていない方がいますがどうしてですか?

A:

事業所に勤務され、健康保険の加入者の介護保険の被保険者は、40歳から64歳までで、第2号被保険者ですが、65歳以上になると、第1号被保険者となり、事業所での控除ではなく、市町村等に直接納付することになります。

Q:第1号と2号では違いがあるのですか?

A:

第1号被保険者は、要介護要支援状態のとき、第2号被保険者は、特定疾病による要介護要支援状態となった場合に介護保険が適用されます。

*詳細については、お気軽にお尋ねください。

(社会保険/被保険者/雇用契約)

社会保険の適用拡大・期間継続雇用者にも適用


Q:期間を定めて雇用している方も社会保険の被保険者の対象になると聞きましたが、どういうことですか?

A:

令和4年10月の法改正によって、週労働時間が20時間以上で月額賃金が8万8千円以上の方で、次の ① または ② に該当する方に適用されます。
① 就業規則や雇用契約書その他の書面においてその雇用契約が「更新される旨」または「更新される場合がある旨」が明示されていること。
② 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている方が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。

Q:2月以内の期間を定めて使用される方についても、被保険者資格を取得する必要があると聞きましたが?

A:

当初、2月以内の期間を定めた雇用契約の方について、契約の更新等により実際には、最初の雇用契約の期間を超えて継続して雇用されることが見込まれる場合は、最初の雇用契約の期間から被保険者資格を取得する必要があります。
尚、契約の更新が見込まれるに至った日とは、労使双方の合意があった日となります。
労使双方の合意は書面による合意(メールによる合意を含む)が必要です。

Q:社会保険の被保険者の拡大に関して、どんな手続きが必要ですか?

A:

今回の法改正による社会保険被保険者資格の拡大によって、新たに被保険者の対象となるかどうかを確認し、対象となる方がいる場合、「被保険者資格取得届」を、所轄の年金事務所に提出することが必要です。
*詳細については、お気軽にお尋ねください。

(服務規律/就業規則/服務規程)

「服務規律違反」の事案とは


Q:服務規律違反の規定を定めるためには、どのような要件がありますか?

A:

労働者の服務規律違反に関しては、任意事項ですから、本人及び他の社員の業務遂行に支障が出る行為や業務上必要な会社の機密事項の漏洩はもちろん、飲酒運転や刑事事件など社会的に問題がある行動の要件について、会社の考えで決めることができます。

Q:具体的な服務規律違反に対する規定は、どのような内容が必要でしょう?

A:

服務規律違反に対し、一般的には訓告、戒告、けん責、減給、出勤停止、懲戒解雇等の制裁を課す場合が多いようです。

Q:それぞれの制裁内容はどんなことですか?

A:

一般的には訓告は「始末書・反省文をとって、将来を戒める」もので、他の制裁とは違って、指導的な内容となっています。 「戒告」以降は、多くは、降格や減給などの処分が伴います。

Q:制裁を科す場合の要件はありますか?

A:

制裁を科す場合には、就業規則に制裁事由とそれに対する制裁の種類・程度を明確にしておくことが必要です。

Q:減給とはどんな制裁でしょうか?

A:

減給は、いわゆる月額賃金をカットすることで、1回の減給額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また、1賃金支払期に複数の制裁事案がある場合も、当該賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはなりません(労働基準法91条)。

Q:制裁を実施した場合の周知義務は、ありますか?

A:

制裁を実施した場合は、法令の要旨、就業規則、各種労使協定等を掲示、備え付け、書面の交付等によって労働者に周知しなければなりません(労働基準法106条)。

(健康保険/扶養/別居家族)

「健康保険被扶養者」の要件


Q:健康保険の被扶養者として認定される要件とは、どんな要件ですか?

A:

認定されるための要件の1つは、「主として被保険者の収入で生計を維持している」ことです。

Q:子どもは、進学して東京で一人暮らしですが、扶養できるのでしょうか?

A:

仕送りはされていますか?

Q:アルバイトはしていますが、月に8万から10万円ほどの仕送りをしています。

A:

アルバイトの収入の金額は、どのくらいですか?

Q:アルバイトの収入も7万から8万円ほどだと言っています。

A:

別居している場合は、仕送り額で判断されます。
扶養される方の年収が130万未満で被保険者からの仕送り額(援助額)より少ない時に被扶養者となります。

Q:今のような状況で、できますか?

A:

年収(年間収入)とは、過去における収入のことではなく、申請する時点で、被扶養者の年間の見込み収入額のことをいいます。
今後もお話のとおりであるとすれば、健康保険の被扶養者になれると思われます。

Q:どんな手続きが必要ですか?

A:

届出にあたっては、アルバイト先から、収入要件確認のための書類を添付します。
*収入証明書については、あなたの会社や当該都道府県の健康保険協会支部に問い合わせてください。

(傷病手当金/病気/けが)

「傷病手当金」の支給要件


Q:傷病手当金を受給するためには、どのような手続きが必要ですか?

A:

傷病手当金は、任意継続被保険者を除く被保険者が、私傷病によって仕事を休まなければならない時に受給できます。

Q:受給するための要件がありますか?

A:

受給要件は、次の4項目です。
① 仕事に起因しない病気・けがで療養中であること
② 仕事につけないこと(労務不能)
③ 4日以上仕事を休まなければならないとき(今までやっていた仕事に就けない場合)
 *軽い仕事についたり、医師の指示で半日勤務をする場合などは、労務不能とは認められません。
④ 給料を受けられないこと
 *給料を受けていても傷病手当金の額より少ないときは、差額が支給されます。

Q:傷病手当金は、標準報酬月額によって算出すると聞きました。どう言うことですか?

A:

傷病手当金1日の算出は、直近12か月の標準報酬月額の1日分の平均額か、その事業所の前年9月30日の全被保険者の標準報酬月額の平均額のいずれか低い額の30分の1の3分の2(67%)です。

Q:具体的には、どのような手続きが必要ですか?

A:

お勤め先の事業所に労務に服することが出来なかった期間を含む賃金支給状況について証明を受けて下さい。

Q:傷病手当金を受給できる期間は決まっていますか?

A:

私傷病による休業して4日目から、同一のケガや病気に関する傷病手当金の支給期間が、支給開始日から通算して1年6カ月に達する日まで支給されます。
※令和4年4月1日から法改正により、支給期間中に途中で就労するなど、傷病手当金が中断した期間がある場合には、支給開始日から起算して1年6カ月を超えても、繰り返して支給可能となります。

(障害年金/受給要件/請求手続き)

「障害年金」認定申請の手続き


Q:障害年金を受給したいのですが、どのような手続きが必要ですか?

A:

障害年金を受給するためには、①初診日 ②保険料の納付 ③障害の状態の3つの要件をを満たす必要があります。

Q:「3つの要件を満たす」とは、具体的にはどのようなことですか?

A:

①「初診日の要件」は、発達障害で知的障害を伴う人の初診日は「生まれた日」となります。知的障害がない場合は「初めて病院を受診し、病気が診断されたた日」です。
②「保険料の納付要件」は、初診日に年金に加入(20歳未満と60歳から64歳は、国内に居住していたこと)し、初診日が20歳以降の場合、初診日の前日の時点で ①初診日があった月の前々日までの1年間に保険料の未納がないことです。
③「障害の状態を満たす要件」は、初診日から原則1年6か月過ぎた日を「障害認定日」といいます。その時点で、医師の診断書等によって、障害認定基準により判断されます。

Q:簡単な仕事についている場合はどうなりますか?

A:

就労している場合も、仕事の内容や職場で受けている援助、ほかの従業員との意思疎通の状況などによって確認されます。
これらによって、障害認定基準に該当すると判断される必要があります。

Q:初診日から症状がひどくなっている場合はどうすればいいですか?

A:

障害認定日の状態が基準に該当しないときは、現在の病状で「事後重症請求」を行う必要があります。
申請手続き等については、いくつかの条件等がありますのでご相談下さい。

(国民年金/保険料納入/免除/猶予)

国民年金保険料の免除・猶予制度


Q:国民年金保険料の免除や納付猶予制度があると聞きましたが、どんな制度ですか?

A:

経済的に保険料の納付が困難である場合など一定条件を満たす方々への救済措置として「全額免除」「一部免除」「納付猶予」「学生納付特例」の4つの制度があります。

Q:4つの制度は、どのような制度ですか?

A:

「全額免除」と「一部免除」は、所得などの条件により保険料の納付が免除される制度です。
免除額は、① 全額免除、② 一部免除(4分の3、半額、4分の1)があり、審査によって1か月単位で免除されます。

Q:制度利用のメリットはありますか?

A:

免除期間は、年金受給資格期間に反映されますが、②一部免除の場合は、減額された保険料を納付しない限り、「未納」扱いとなり、年金受給資格期間には算入されません。
「未納」だと、2年前までしか遡って納められませんが、免除制度では、「追納」として、遡って10年前の分まで納めることができ、「追納」すると老齢基礎年金額が増えます。
また、「未納」だと障害基礎年金や遺族基礎年金を受けとることが出来ない場合があります。

Q:失業して保険料納入が難しい場合は?

A:

失業した場合に保険料免除・納付猶予制度の特例申請を行うことができます。
この制度は原則、失業した年またはその翌年に申請した場合に適用されます。
「学生納付特例」は、学生の方が対象で、保険料の納付が1年毎に猶予されます。

※免除・納付猶予制度について、詳しくは、日本年金機構ホームページをご覧頂くか、お近くの年金事務所へお問い合わせください。
※適用される制度によって違いがありますが、審査の際には、本人・配偶者・世帯主の前年所得が審査の対象となります。申請をし、審査が通った場合に適用されます。

(最低賃金/労働契約/時給)

最低賃金制度と最低賃金額について


Q:10月から最低賃金が変わると聞きましたが、最低賃金制度とはどんな制度ですか?

A:

最低賃金制度とは、国が、最低賃金法に基づき賃金の最低限度額を定める制度です。

Q:その最低賃金法は、どんな意味があるですか?

A:

この制度は、最低賃金法(昭和34年4月15日法律第137号)の第4条第1項に、「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。」と規定しています。そして、第4条第2項では、「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金に達しない賃金を定めるものは、その部分については、無効とする。この場合において無効となった部分は、最低賃金と同様の定めをしたものとみなす」とされています。

Q:最低賃金法には、罰則規定があるのですか?

A:

最低賃金額以上の賃金を支払わない使用者は、50万円以下の罰金が定められています。

Q:最低賃金額は、時間額で定められているので、正社員の場合、月額賃金で支払われているので関係ないのですか?

A:

いいえ、そんなことはありません。
月額賃金の場合も時給に換算して1時間単価の賃金が最低賃金額以下であれば、罰則規定の対象となります。

Q:「時給に換算する」とは、どのような計算をするのでしょうか?

A:

時給に換算して1時間の賃金単価にするための計算は、次のように計算します。

計算式の例示
●労働時間/日8時間:年間労働日数250日:最低賃金額900円(福岡県の場合)
●基本給15万円:職務給3万円:通勤手当5千円:時間外手当3万円
●計算は、まずは、最低賃金額の対象とならない通勤手当と時間外手当除きます。
(18万円:基本給15万円+職務給3万円:×12カ月)÷(250日×8時間)=1080円
 1時間単価1080円となり、最低賃金900円より高いので最低賃金額以上となります。

※詳細は、お尋ね下さい。

(健康保険/厚生年金保険/短時間労働者)

健康保健・厚生年金保険の適用拡大の具体的な進め方


Q:社会保険の適用拡大の具体的な進め方は、どうすればいいですか?

A:

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用拡大は、現行では501人以上の事業所で適用されていますが、令和4年10月より、従業員数が101人以上の企業(事業所)で、①週の労働時間が20時間以上30時間未満、②月額賃金が、8.8万円以上、③2カ月を超える雇用の見込みがある、③学生ではない。の4要件を満たす従業員に適用されます。

Q:職員が130人で、そのうち対象となる職員が10人程度です。
具体的な準備は、どうすればいいですか?

A:

対象となる企業(事業所)には、事前に、手続き内容等を説明する書類が届きます。
その資料にそって加入対象者の把握を行い、対象となる従業員に対して社会保険の適用拡大により被保険者が受けるメリットや、資格要件等の説明が必要です。

Q:社会保険に加入した場合のメリットとは、どんなことでしょうか?

A:

社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することで、特に、厚生年金保険によって老齢・障害・遺族年金の保障が、これまで基礎年金だけだったものが、厚生年金が上乗せされて2階建てとなり年金額が増加します。

Q:社会保険の保険料はどうなりますか?

A:

保険料負担は、会社と折半となります。

Q:対象拡大によって、事業所にメリットはありますか?

A:

新たな保険料の負担が増えますが、メリットとしては、これまで健康保険・厚生年金の対象ではなかった短時間労働者への社会保障への加入による雇用環境の改善によって求人条件が良くなります。

※詳細は、お尋ね下さい。

(健康保険/厚生年金保険/短時間労働者)

健康保健・厚生年金保険の対象が拡大されます


Q:健康保険・厚生年金保険の対象者が拡大されるそうですが、対象者は、どのようになりますか?

A:

現行では、企業規模要件で500人超の事業所のみで短時間労働者を被保険者の対象とすることが認められていますが、法律改正によって、令和4年10月より、 段階的に対象拡大がすすめられます。

Q:具体的には、どのようになりますか?

A:

被保険者の段階的拡大は、令和4年10月からは、企業規模が101人以上に適用され、令和6年10月からは、企業規模51人以上にまで、拡大されるようになります。

Q:拡大対象となる企業規模では、だれでも被保険者になることができるのでしょうか?

A:

いいえ、企業規模以外に、対象労働者の労働時間要件や賃金要件、勤務時間要件などの要件を満たすこととされています。

Q:どのような要件を満たせば良いのですか?

A:

新たな加入対象者は、
① 週の所定労働時間が20 時間以上
② 月額賃金が8.8万円以上
③ 2カ月を超える雇用の見込みがある
④ 学生ではない
の4要件をすべて満たすこととされています。

Q:事業者や労働者にメリットはありますか?

A:

事業所にとってのメリットは、これまで健康保険・厚生年金の対象ではなかった方まで対象が広がり、短時間労働者への社会保障が充実し、雇用環境を改善することで人材確保の条件が拡がります。
労働者にとっては、医療保険や年金(老後・障害・死亡)の保障が充実することになります。

※詳細は、お尋ね下さい。

(雇用保険/高齢者/マルチ高年齢/マルチジョブ)

雇用保険のマルチジョブ制度


Q:65歳以上の方を対象とした「雇用保険のマルチジョブホルダー制度」とは、どのような制度ですか?

A:

「雇用保険マルチジョブホルダー制度」とは、令和4年1月1日から施行された制度で、65歳以上で複数の事業所に雇用され、合わせて20時間以上働いている労働者で、一定条件を満たせば特例の雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)になることができるという制度です。

Q:一定の要件とは、どのような要件ですか?

A:

それは、以下の3つの要件です。
① 複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること。
② 2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して、1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
③ 2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること―の3要件です。

Q:この3つの要件を満たして被保険者になった場合には、どのようなメリットがあるのですか?

A:

雇用保険の被保険者としての適用を受けることができます。
例えば、離職の日以前1年間に11日以上の賃金支払いの基礎となった日数のある完全な月が6カ月以上(11日に満たない場合は80時間以上)の勤務実績等があれば、被保険者であった期間に応じて30日分または50日分の一時金が支払われます。
その他、育児休業給付・介護休業給付・教育訓練給付等も対象となります。

Q:具体的な手続きはどうするのですか?

A:

労働者本人が自身の住居地を管轄するハローワークに申し出ることで、申出を行った日から雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができます。
※詳細は、お尋ね下さい。

(賃金/給与規定/支払日)

賃金の毎月払いの原則と割増賃金の翌月払い


Q:賃金は、毎月支払いが原則だと聞いていますが、残業の締め切り日との関係で、割増賃金については、翌月払いにすることに問題ありませんか?

A:

賃金の支払いに関して、労基法第24条では、締切日と支払日を定め、毎月1回以上支払うべきことが定められています。
これは必ずしも当月労働した分に対応する賃金をその月のうちに支払わなければならないという意味ではありません。

Q:どういう意味ですか?

A:

賃金支払いの計算上、勤務実績に応じて計算する賃金の場合は、当然、締切日と支払日との間に間隔があいてなければ支払が不可能だからです。

Q:当社では、割増賃金以外の本給等(毎月決まって支給される分)については、各月の1日から末日までの分をその月の25日に支払いますが、違反にはならないと理解してよいですか?

A:

そうです。
賃金については、 「賃金支払の五原則」として、 労働基準法第24条において、①通貨で、②直接労働者に、③全額を、④毎月 1 回以上、⑤一定の期日を定めて支払わなければならないと規定されています。

この規定に基づいて、各社の就業規則(給与規程)においても、締切日や支払日、計算方法等について定められていると思います。

(求職者給付/特定受給資格者/特定理由離職者)

雇用保険の求職者給付における特定受給資格者と特定理由離職者


Q:会社を退職して受給できる求職者給付には、「特定受給資格者」と「特定理由離職者」があるとききましたが、それはどういうことですか?

A:

「特定受給資格者」とは、倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた方、「特定理由離職者」とは、「特定受給資格者」以外で、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことや、その他やむを得ない理由により離職した方のことです。

Q:自己都合退職の場合との違いはどんなことですか?

A:

雇用保険の求職者給付は、退職した後も働く意思があり、仕事を探している方に給付される制度です。「特定受給資格者」と「特定理由離職者」は、会社の都合で退職をされる方に適用される制度で、基本手当の支給開始日や日数が自己都合で退職された方に比べて優遇されています。

Q:「特定受給資格者」「特定理由離職者」の判断は、どこが行うのですか?

A:

ハローワークにおいて、事業主が主張する離職理由と、離職者が主張する離職理由を把握し、それぞれの主張を資料によって確認して事実確認を行った上で、離職理由を慎重に判定します。

*判断基準については、厚生労働省のホームページにパンフレットが掲載されています。

(時間外労働/労働時間/労使協定)

36(サブロク)協定はなぜ必要か


Q:時間外労働をさせるためには、36協定が必要と聞きましたが、なぜですか?

A:

労働基準法は、労働時間等の原則として、1日8時間・1週40時間以内の「法定労働時間」と1週間に1日の休日を付与することを「法定休日」として定めています。
この「法定労働時間」「法定休日」を超えて労働させる場合には、労働基準法第36条に基づく労使協定の締結と所轄労働基準監督署への届出が必要と規定されています。
これを通称として「36協定」といいます。

Q:36協定の締結や監督署への届出を行わなかった場合には、罰則規定などがありますか?

A:

「36協定」は、労働者を保護するため時間外労働や休日労働を労使で協定と届出義務が規定され、違反すると罰則規定があります。

Q:どのような規定でしょうか?

A:

時間外労働の上限(限度時間)は、月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
さらに、臨時的な特別の事情があって労使で合意する場合でも、年720時間、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)を超えることはできません。また、月45時間を超えることができるのは、年間6か月までとなっています。
罰則規定では、「法定労働時間」を超えて働かせると、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が設けられています。

※厚生労働省では、36協定で定める時間外労働及び休日労働の留意事項として、以下のような指針を策定しています。
① 時間外労働・休日労働は必要最小限にとどめてください。
② 使用者は、36協定の範囲内であっても、労働者に対する安全配慮義務を負います。また、労働時間が長くなるほど過労死との関連性が強まることに留意する必要があります。
③ 時間外労働・休日労働を行う業務の区分を細分化し、業務の範囲を明確にして下さい。
などです。

(退職手続き/求職者給付金/高年齢/離職票)

65歳を過ぎて退職した場合の求職者給付


Q:65歳を過ぎて社員が退職します。雇用保険の手続きは、通常の手続きとは違うのでしょうか?

A:

65歳を過ぎても退職手続きは、離職票の本人への交付など特に違いはありません。

Q:65歳を過ぎると「退職後の給付金が一時金になる」と聞いたのですが。

A:

そうです。高年齢継続被保険者の退職者(65歳以上で退職された方)の場合は、一時金として支給されます。

Q:支給条件はどうなっていますか?

A:

求職活動中であることを条件に、被保険者であった期間が1年未満の場合は、30日分、1年以上の場合は、50日分の求職者給付金が一時金として一括支給されます。

Q:手続きは、どのようになりますか?

A:

退職された方が、退職の際に発行される「離職票」を持参して、ハローワークに申請されると、通常、2週間から1カ月の間に失業中で求職中であることを確認する「失業認定日」が決まり、認定されると一時金の支給日が決まります。

Q:失業中、求職活動中の認定とはどういうことですか?

A:

認定日までの間に、ハローワークでの求職活動や知り合いから紹介された会社の面接なども求職活動と認定されることがあります。詳しくは、ハローワークでの離職の手続きの際にパンフレットなどで説明されます。

Q:その他、注意をすることは、ありませんか?

A:

高年齢求職者給付金の受給期限は、離職の日の翌日から1年を経過する日となっています。

(労災/傷病補償/障害厚生年金)

傷病補償年金と障害厚生年金の併給調整


Q:業務上の負傷で労災保険を受給して治療中で1年6カ月を経過しようとしていますが、まだ治癒していないので傷病補償年金を受給しようとしています。

A:

そうですね。傷病補償年金は、業務上の傷病により療養を開始してから1年6か月を経過した日、またはその日後において治癒せず、かつ、障害の程度が傷病等級に該当する場合に支給されます。

Q:負傷から1年6カ月経過すると、障害厚生年金の受給資格が得られると聞きましたが、傷病補償年金との関係はどうなるのでしょうか?

A:

障害厚生年金は、初診日から起算して1年6カ月経過した日またはその期間内に治った日において、その傷病により障害厚生年金の障害等級に該当するような状態になれば支給されます。

Q:そうすると、二つの年金を同時に受けることが出来るということですか?

A:

この場合は、一つの災害に対し、二重のてん補が行われることの不合理を解消するために、支給調整が行われます。

Q:具体的には、どのようになるのでしょうか?

A:

その方法は、労災保険の給付を減ずるという方法で行われ、傷病補償年金は、調整前の額に0.88を乗じて得た額に減額して支給されます。そして、障害厚生年金は、減額することなく全額支給されます。

※1:労災保険の傷病補償年金の給付内容は、傷病等級に応じ、給付基礎日額の313日分から245日分となっています。
※2:厚生年金保険では、初診日から起算して1年6カ月経過した日またはその期間内に治った日において、その傷病により障害等級に該当するような状態になれば、障害厚生年金が支給されます。

(育児休業/給付金/賃金支払基礎日数/被保険者期間)

「育児休業給付」の被保険者期間の要件


Q:「育児休業給付金」要件が一部変更されたと聞いたのですが、どのようになりますか?

A:

現行の「育児休業給付金」は、「育児休業開始日を起算点とし、その日前2年間に賃金支払基礎日数(就労日数)が、11日以上※1ある月が12カ月以上あること」が、被保険者期間の要件とされていました。

Q:そこが変更されたのですか?

A:

そうです。この被保険者期間の要件では、この期間に、産前産後休業期間(通常14週)が含まれることで、被保険者要件を満たさないケースが出てきてしまいます。

Q:そうですね。14週といえば3カ月以上は、実質的に就労してないですね。

A:

そうです。この産前産後休業期間を除いて、「産前休業開始日等※2を起算点として、その日前2年間に賃金支払基礎日数(就労日数)が11日以上ある月が12カ月以上ある場合には、育児休業給付の支給に係る被保険者期間の要件を満たすものとする。」と変更されました。

Q:そうすると、被保険者要件となる就労期間が約3カ月延びるということですね?

A:

そうです。起算日を、「産前休業開始日等を起算点とする」という変更によって、12カ月以上の就労月が増えて、育児休業給付金の対象者が増えることになります。

※1: 11日以上の就労がない月は、賃金支払基礎となった時間数が80時間以上の月を1カ月として算定します。

※2: 産前休業を開始する日前に子を出生した場合は、出生した日の翌日、産前休業を開始する日前に、母性保護のための休業をした場合は、休業を開始した日を起算点とします。

(正社員/無期転換/労働契約)

アルバイトから正社員への登用の際の労働条件


Q:アルバイトとして3年間頑張っている社員に、正社員への登用を考えていますが、何か気を付けることがありますか?

A:

気になることはどんなことですか。

Q:アルバイトは時給制ですが、正社員は、月給制で、かつ、みなし時間外手当が付く形となっています。
アルバイトから、正社員になるとみなし時間外手当が付くので、月の総賃金は、増えますが、みなし時間外を加えた総労働時間で換算すると1時間あたりの賃金が下がっているようになりますが、労働条件の不利益変更にあたりませんか?

A:

労働条件の不利益変更とは、使用者が就業規則の変更という方法で一方的に既存の労働契約における労働条件を変更する場合の問題です。
今回のように、就労形態の変更に伴って労働契約自体を新たに締結する場合は、労働条件の不利益変更法理の対象とはなりません。

Q:今回の社員の理解を得るためには、どうすれば良いでしょうか?

A:

正社員には毎月みなし時間外手当が支給されることや評価制度による昇給昇格等があること等を提起し、一時的に1時間当たりの賃金額が低下するとしてもメリットがあることを説明されるとどうでしょう。

Q:それでも、納得できない場合は、どうすれば良いでしょうか?

A:

今回のアルバイトではなく正社員への登用は、そもそも当該労働者の働きぶり等を評価して考えられたと思われます。
そうであれば、できれば1時間あたりの賃金額を上げることで気持ちよく働ける環境をつくることが理想であるかもしれません。

(最低賃金/パート/臨時雇用)

最低賃金の算定方法


Q:最低賃金が改定されると聞きましたが、どういうことなんでしょうか?

A:

最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定める制度で、使用者は、経営する事業所の労働者には、この金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

Q:事業所の労働者とは、パートさんやアルバイトなども含むのですか?

A:

そうです。原則として事業場で働く常用・臨時・パート・アルバイトなど雇用形態や呼称の如何を問わず、すべての労働者に適用されます。

Q:その最低賃金を計算する方法は、基本給だけのことですか?

A:

最低賃金は、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られ、所定就業時間内に決まって支払われる基本給や資格手当などをその所定就業時間数で除した金額です。

Q:最低賃金の算定から除外される賃金とはどんなものですか?

A:

実際に支払われている賃金から次の6通りの賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
①臨時に支払われる賃金
②1カ月を超える期間毎に支払われる賃金
③所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
④所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金
⑤深夜労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の計算額を超える部分
⑥精皆勤手当・通勤手当・家族手当などです。

Q:最低賃金より低い賃金を労働者、使用者双方合意の上で定めた場合はどうなりますか?

A:

労使合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
*最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金があります。特定最低賃金は、特定の業種の最低賃金です。詳しくは、お問い合わせください。

(同一労働同一賃金/特別休暇)

同一労働同一賃金への対応


Q:「正社員とパートタイムや有期雇用労働者との間で、不合理な待遇差を設けることは禁止されている」と聞いたのですがどうすれば良いですか?

A:

待遇に違いがある場合は、待遇の違いが働き方の違いに応じたものであると説明できますか?

Q:就業規則で、正社員には、慶弔休暇等の特別休暇を有給で取得できるようになっていますが、パートや有期雇用労働者には、特別休暇は、無給となっています。

A:

この場合は、待遇改善が必要だと思われます。

Q:改善するためには、どうすれば良いですか?

A:

パートや有期雇用労働者の場合は、週の労働日数や1日の労働時間を個別の労働契約で決めていますか?

Q:はい。週に3日勤務の社員もいれば、週4日勤務の社員もいます。1日の労働時間が6時間の社員もいれば、8時間の社員もいます。合理的な待遇にするには、どのように規定すれば、良いでしょうか?

A:

社員毎の労働契約内容により、賃金の1時間単価を算出し、特別休暇を取得した際の賃金額を求めます。その金額を保障するように就業規則に規定して下さい。

Q:時間単価計算で保障することで不合理な待遇格差には、ならないのですね?

A:

はい、個別の労働契約によって決められた単価によって、特別休暇の賃金を保障するようにするわけですから、不合理な待遇差にはなりません。

※「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律の改正施行によって、同一労働同一賃金は、同一企業内における正社員と非正規社員との間の不合理な待遇の差をなくすことを目指すものです。2020年4月1日施行(中小企業は、2021年4月1日から)
ご不明な点は、お気軽にお尋ね下さい。

(開業手続き/社会福祉事業/労働保険/雇用保険)

新規事業所設置後の手続き


Q:保育園を新たに設置しました。事業所として手続きには、どんなことがありますか?

A:

労働者を雇用した日から10日以内に労働保険・保険関係成立届が必要です。
また、50日以内には、労働保険概算保険料申告書を提出し納付することが求められます。
これは、労働災害や通勤災害などの際に救済される制度です。

Q:提出先は、どこになりますか?

A:

社会福祉事業の場合は、一元適用事業所になりますので、所轄の労働基準監督署へ提出して下さい。

Q:雇用保険はどうなりますか?

A:

雇用保険の適用事業所届を行い、労働者に雇用保険の被保険者資格を取得する必要があります。

Q:雇用保険の資格要件はどうなりますか?

A:

資格要件は、週の労働時間が20時間以上となります。

Q:健康保険、厚生年金の手続きも必要ですか?

A:

そうですね、健康保険・厚生年金保険の適用事業所届も必要です。こちらは、年金事務所に届けます。

Q:対象となる範囲はどうなっていますか?

A:

常勤(通常週40時間)とその4分の3以上の労働時間の労働者が対象となります。

Q:その他、準備する書類などありますか?

A:

各種の設置届時に提出を求められますので、次の書類を準備されることをお勧めします。
① 労働者名簿
② 出勤簿
③ 賃金台帳
④ 就業規則
⑤ 労働条件通知書など。

*ご不明な点は、お気軽にお尋ね下さい。

(労働基準法/賃金/手当/労働時間)

割増賃金の基礎となる給与


Q:「割増賃金の基礎となる賃金」の範囲を知りたいのですが?

A:

割増賃金の基礎となるのは、所定労働時間の労働に対して支払われる「1時間当たりの賃金額」です。
月給制の場合は、「月の所定賃金額 ÷ 1カ月の平均所定労働時間数」です。

Q:基本給のみを1カ月の所定労働時間で割って算出していたのですが、各種手当も含めて算出しなければならないのでしょうか?

A:

毎月決まって支給される賃金については、原則として諸手当も含めて対象となります。
しかし、労働基準法の規定によって、以下の①~⑦については、労働と直接的な関係が薄く、個人的事情に基づいて支給されていることなどにより、除外することができます。
①家族手当②通勤手当③別居手当④子女教育手当⑤住宅手当⑥臨時に支払われた賃金⑦1カ月を超える期間毎に支払われる賃金(法第37条第5項、労働基準法施行規則第21条)。

Q:それでは、毎月決まって資格手当を支給している場合は、対象となりますか?

A:

対象となります。
そのほか、基準を決めず全従業員に一律で支給している家族手当や住宅手当、毎月決まって支給する研修手当、最近では、介護などの処遇改善手当を月額で定めて支給する場合なども除外することはできません。
*ご不明な点は、お気軽にお尋ね下さい。

(雇用保険/給付金/退職)

雇用保険失業等給付の高年齢求職者給付金


Q:65歳で退職したら、失業給付はありますか?

A:

雇用保険の失業等給付には、失業された方が、安定した生活を送りつつ、1日も早く再就職できるよう求職活動を支援するための給付として求職者給付があります。

Q:給付を受けるには、条件があるのでしょうか?

A:

65歳以上の方に対する求職者給付は、高年齢求職者給付金(一時金)となり、受給要件としては、「原則として離職の日以前1年間に6カ月以上の被保険者期間」が必要です。

・被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1カ月ごとに区切っていった期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1カ月として計算します。

Q:離職の日以前は、家族の介護のために介護休業をしていたために、1年間に6カ月以上の被保険者期間の要件は、満たしていないのですが?

A:

被保険者期間の算定には、特例があり、「疾病・負傷その他一定の理由により30日以上賃金を受けなかった日数を加算」して、最大1年間を1年6カ月までに要件を緩和してその間に6カ月以上の被保険者期間があれば、受給できることとなっています(高年齢求職者給付金の場合)。

Q:要件緩和の特例があることを知らなかったので、諦めていました。

A:

必要書類を持参の上、ハローワークで相談されることをお勧めします。

・高年齢求職者給付金は、一時金となっています。

被保険者であった期間1年未満1年以上
高年齢求職者給付金の額30日分50日分

(介護/雇用保険/休業手当)

介護休業の申し出と手続き


Q:介護休業の申出は、どのような手続きをすれば良いでしょうか?

A:

介護休業は、1人の対象家族につき、原則として通算93日の範囲内で3回を限度に取得することができます。

Q:社員からの介護休業の申出は、30日間となっていますが?

A:

3回を限度に分割しての取得が可能ですので大丈夫です。

Q:30日間取得後、介護の必要があれば、再度の申出は可能ということですか?

A:

通算して93日までは、可能です。

Q:介護休業期間中の賃金は、どうなりますか?

A:

雇用保険の被保険者で介護休業を開始した日の前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12カ月以上あれば、「介護休業給付金」の支給対象となります。

Q:介護休業給付金は、どの位支給されるのでしょうか?

A:

休業開始時の賃金日額の67%×休業日数分の支給となっています。

※休業給付金は、職場復帰を前提に取得する介護休業に対するものですので、休業取得時に退職が確定(予定)している休業は対象となりません。
また、休業期間中に休業開始時賃金月額の80%以上の賃金が支払われた場合は、給付金は支払われません。

(労働基準法/時間外労働/休日労働)

「36協定」の適正締結と届出


Q:「36協定届」の適正締結と届出とは、どんなことでしょうか?

A:

時間外労働と休日労働は、労働基準監督署への届出義務があり、労働基準法第36条に規定されています。
この届出のための労使協定を通称で「36協定」といいます。

Q:なぜ、「36協定」が必要ですか?

A:

労働基準法では、法定労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内と規定され、法定休日は、1週に1回または、4週間を通じて4回以上とされています。
しかし、業務の都合で、その法定時間外の労働や法定休日に労働が生じる場合に、労使の合意の上で仕事ができるように、労使が協定を締結することが求められています。

Q:労使協定の要件や方法があるのですか?

A:

労使協定は、労働者代表と使用者が合意の上で、締結するもので、この労働者代表の決め方について、職場の過半数を組織する労働組合の代表者や、全従業員の投票などによって選出するなど、従業員の自発的な意思に基づく選任の要件が求められています。

Q:その適正な締結とは、どんなことですか?

A:

今回の「36協定」の適正締結とは、労働者代表の選出の要件として、管理監督者など使用者の意向に基づいて選出された者でないことを明確にすることを求めています。そのために届出書には、チェックボックスが設けられています。

(社会保険/雇用/新入社員/保険料)

健康保険と厚生年金の保険料徴収の時期


Q:社員を雇用したのですが、健康保険・厚生年金保険の保険料の徴収はいつからでしょうか?

A:

毎月の保険料は、被保険者の前月分の保険料を給料から控除(天引き)できます。入社月の保険料も翌月控除となります。

Q:「月末退職者については、2ヶ月分の控除となる」と聞いたのですが、なぜでしょうか?

A:

月末退職者については、翌月1日が資格喪失日です。したがって、保険料は、前月分と退職月の2カ月分を退職月の給与から同時に控除することになります。
月途中の退職者は、退職月の保険料は発生しませんので、前月分のみを控除することとなります。

Q:納付の方法は、どのようになりますか?

A:

毎月の保険料額については、事業所から提出される被保険者の資格取得や喪失等の届出内容を基に、毎月10日頃に前月分が確定され、20日頃、保険料納入告知書が送付されますので、月末までに納付して下さい。

Q:納付期限までに納付しなかった場合は、どうなりますか?

A:

期限を指定した督促状により、督促を受けます。
この指定期限をすぎると、納付期限の翌日から完納までの期間について延滞金がかかります。

(健康保険/資格/短時間)

健康保険被保険者資格取得の要件


Q:配偶者の被扶養者であった社員が、年収が130万円以上になり、被扶養者ではなくなりますが、新たに健康保険の被保険者資格を取得することができますか?

A:

健康保険の被保険者資格を取得するためには、一般的に1週30時間以上働く方が対象となりますが、その要件は満たされていますか?

Q:社員は、1週30時間未満の勤務です。

A:

1週に30時間未満でも健康保険の被保険者資格を取得できる要件は、平成28年10月より、社会保険の適用拡大が行われましたが、次のような場合です。
① 常時501人以上の企業
② 法人番号が同一の適用事業所の被保険者数が500人を超える月が直近11カ月で5カ月以上となる事業所です。

Q:では、500人に満たない事業所では、短時間勤務の社員は、被保険者資格は取得できないのですか?

A:

御社の場合は、この500人要件を満たしていませんので、被保険者資格の取得はできません。

Q:それでは、短時間勤務で、年収130万円を超える場合は、国民健康保険に加入するしかないのですか?

A:

国民健康保険に加入するか、1週間に30時間以上働くようにして健康保険の被保険者資格を取得するかの選択になると思われます。

(社会保険/医療費/限度額)

被扶養者の医療費が高額になる場合


Q:家族を健康保険の被扶養者にしています。「医療費の限度額認定」の申請を行うことはできますか?

A:

入院や通院で医療費が高額になる場合、窓口での支払いが一定の金額までとなる「健康保険限度額適用認定」の申請をすることができます。

Q:6月より入院をしていますので医療費が高額負担となり困っていますが、6月から遡及して認定申請は可能でしょうか?

A:

残念ながら、「限度額適用認定証」の交付は、申請書受付日より前の月については、交付されません。

Q:では「申請月以降の申請でなければ、認められない」ということでしょうか?

A:

原則としては、そのとおりです。但し、医療機関との約束で「支払いを待って頂いている」などの特例があれば、特例期間については、認定されることがあります。

Q:その際は、どんな手続きが必要ですか?

A:

「限度額認定申請書」に医療機関の名称を付した上で、特例にあたる内容を明記する必要があります。
※自己負担限度額は、被保険者の所得区分によって決められており、医療機関に限度額適用認定証を提示することで、同一の月において、それぞれの医療機関ごとの窓口での一部負担金等の支払額が、限度額に抑えられます。

※その他、詳細は、お尋ねください。

(社会保険/労務管理/採用/退職)

採用した月に退職した社員の社会保険料


Q:10月1日に採用した社員が、6日に退職しましたが、この社員の10月分の社会保険料は徴収するのでしょうか?

A:

被保険者期間は、月によるものとされていますので、10月分の保険料は徴収しなければなりません。

Q:同じ月に、他の会社に雇用されて健康保険・厚生年金保険の被保険者になった場合は、どうなりますか?

A:

退職された月に、厚生年金保険の被保険者になられた場合や国民年金保険へ加入された場合は、その月は、二重に保険料を支払うことになりますが、そのような事例が生じた場合は、年金事務所より還付の通知が事業所宛に届きますので、徴収された保険料のうち、厚生年金保険料については、事業所より被保険者本人に還付していただくこととなります。

Q:保険料の還付は、事業所負担分もあるのでしょうか?

A:

そうです。保険料は、事業所と被保険者が折半で納付するようになっています。
その全額が、事業所へ還付されますので、被保険者負担分を本人に還付することになります。
※厚生年金の被保険者期間の計算方法は、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに参入します。(法第19条の1項)。
したがって、被保険者の資格を取得した月はその日が末日であっても1月と計算されます。

※その他、詳細は、お尋ねください。

(ダブルワーク/賃金)

ダブルワークと超過勤務手当


Q:新しく雇用する予定の職員が、他の会社とのダブルワークで、 1日 5.5 時間、週5日勤務を希望しています。

A:

ダブルワークということですが、他の会社ではどんな勤務ですか。

Q:他の会社では、 週20時間働いているそうです。

A:

そうすると、他の会社ですでに週 20 時間働き、今度、あなたの施設で1日 5.5 時間で5日間だとすると、勤務時間を合計すると、週47時間30分となりますので、1週間につき法定労働時間の40時間を超える7時間30分については、時間外労働の割増賃金が発生します。

Q:その、時間外の割増は、どちらが支払うことになるのですか?

A:

労働基準監督署は、ダブルワーク を承知で雇用したのであれば、後で雇用した会社で支払うべきではないかとの見解を示しています。

Q:私の施設だけが毎週7時間30分の時間外の割増賃金を支払うのは、納得できませんが、どうしたら良いでしょうか?

A:

他の会社と相談して、折半する余地はあるようですが、 週40時間労働制は、基本的な働き方ですから、新たに雇用する予定の職員とダブルワークの労働時間が 合計で週40時間以内になるように 話し合うことをお勧めします。

その他、詳細は、お尋ねください。

(健康保険/資格/保険料)

健康保険任意継続被保険者資格の条件と保険料


Q:来月退職する予定です。健康保険の任意継続について教えてください。

A:

任意継続被保険者になり、健康保険被保険者資格を継続させるためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
① 健康保険の被保険者または、任意適用被保険者資格を喪失したこと。
② 資格喪失日の前日までに継続して2カ月以上被保険者であったこと。
③ 被保険者資格を喪失してから、20日以内に申請をすること。 です。

Q:加入できる期間と保険料はどの位になるのでしょうか?

A:

加入できる期間は、原則2年間です。
保険料は、被保険者資格を喪失したときの標準報酬月額と、全被保険者の平均した額を報酬月額とみなしたときの標準報酬月額か、どちらか低い方となります。

Q:保険料は2倍になると聞いたのですが?

A:

そうです。会社に勤めている期間は、会社と被保険者が折半で支払いますので、任意継続被保険者になると全額被保険者負担となります。
退職時の標準報酬月額が15万円だとすると、月額保険料は、7,680円ですから、その2倍で15,360円となります。
現在、全国健康保険協会の被保険者の平均の標準報酬月額は30万円ですから、その保険料30,960円と比べて、低い方となります。

Q:その他に注意することがありますか?

A:

保険料の納付義務も被保険者本人となりますので、1カ月でも未納となった場合は、任意継続被保険者の資格を喪失しますので、ご注意下さい。

※40歳以上の場合は、介護保険料が加算されます。
※その他、詳細は、お尋ねください。

(社会保険/新型コロナ)

社会保険料改定のコロナ特例


Q:新型コロナ感染症の影響に伴う休業で給料が下がった場合に、健康保険・厚生年金保険料の減額改定ができるのでしょうか?

A:

そのための休業により報酬が著しく下がった方は、一定の条件に該当する場合、 標準報酬月額を通常の随時改定(4カ月目に改定)によらず、コロナ特例により 翌月から改定することが可能です。

Q:一定の条件とは、どんなことですか?

A:

次のすべてに該当することです。
① 新型コロナ感染症の影響による休業 (時間単位を含む)があったことによ り、令和2年4月から7月までの間に報酬が著しく低下し、既に設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がった方。
② 本特例措置による改定内容に本人(被 保険者)が書面により同意している方。
 *被保険者本人の事前の同意が必要となります。それは、改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金及び年金の額が算出されることになるからです。

Q:対象となる保険料は、いつからになりますか?

A:

報酬が2等級以上下がった月が4月であった場合は、翌月の5月分から対象となります。

Q:給料はすでに下がっています。7月以降に減額申請ができるのでしょうか?

A:

令和3年1月末日までに届出があったものが対象となります。それまでの間は、遡及して申請することが可能です。

※その他、詳細は、お尋ねください。

(内縁関係/健康保険)

内縁関係の妻は、健康保険の被扶養者になれますか?


Q:内縁関係の妻は、健康保険の被扶養者になれますか?

A:

内縁関係の配偶者であっても、要件を満たしていれば被扶養者になることはできます。

Q:要件について、具体的に教えて下さい。

A:

主として被保険者の収入で生計を維持している75歳未満で後期高齢者医療の被保険者とならない人が、被扶養者になるための要件です。

Q:手続きするためには、どのような書類が必要ですか?

A:

① 戸籍謄本又は、戸籍抄本
② 被扶養者の収入に関する証明(非課税証明書や年金振り込み証明書など)
続柄確認のために、住民票などの証明が必要な場合があります。

但し、内縁関係の場合は、① 戸籍謄本または戸籍抄本については、被保険者と被扶養者双方の証明が求められます。

Q:被扶養配偶者になった場合は、国民年金の第3号被保険者になれるのでしょうか?

A:

健康保険法の被扶養者の認定基準を勘案して年金事務所長が認定することになっていますが、健康保険の被扶養者と認定されれば、国民年金の第3号被保険者となります。
但し、被扶養配偶者が20歳以上60歳未満に限ります。

※60歳未満の場合は年収が 130万円未満、60歳以上の人または障害者の場合は年収が 180万円未満が認定基準です(過去における収入ではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み額をいいます)。

(フレックスタイム)

フレックスタイム制と労使協定


Q:フレックスタイム制を適用したいのですが、労使協定は必要ですか?

A:

フレックスタイム制を適用するためには、就業規則等で、始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねることを規定すること。 そして、必要な事項について労使協定で定めることが必要です。

Q:労使協定で定める内容は、どのようなことですか?

A:

以下の通りです。
① フレックスタイムの規定により労働させることができることとされる労働者の範囲
② 清算期間(その期間を平均し1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、3か月以内の期間に限るもの)
③ 清算期間における総労働時間です。

Q:当社では、清算期間を1か月とする予定ですが、1か月を超える清算期間を規定した場合でも内容は変わりませんか?

A:

労使協定で規定する内容は同じですが、1か月以内の場合は、労使協定を 労働基準監督署への届出の義務はありません。
1か月を超える場合は、「労使協定の届出の義務化」と「1か月単位での労働時間の上限規制」という2つの規制が追加されます。

(後期高齢者/医療制度/保険資格/障害者医療)

後期高齢者医療の被保険者の特例


Q:社員から障害者医療の対象となり、後期高齢者医療被保険者証の提示がありましたが、会社は、どのような手続きをすれば良いでしょうか?

A:

後期高齢者医療制度は、75歳以上のすべての方を対象とする医療制度ですが、その他に65歳以上75歳未満で、一定の障がいについて後期高齢者医療広域連合の認定を受けられた方は、「後期高齢者医療制度」の対象となります。

Q:それでは、健康保険の被保険者資格は喪失してよいのですか?

A:

そうです。後期高齢者医療制度の被保険者になると、それまでの国民健康保険や社会保険(健康保険協会管掌の健康保険等)の資格は喪失することとなります。

Q:2カ月前に後期高齢者医療の被保険者となったようですが、遡って資格喪失手続きはできますか?

A:

はい、後期高齢者医療の認定を受けた日を喪失日として手続きは可能です。

Q:後期高齢者医療の被保険者になって2カ月間は、健康保険料を給与から控除していますが、還付されるのでしょうか?

A:

当該社員の喪失届を行えば、年金事務所が、その間の当該社員の重複した保険料を計算して、次月以降の会社宛ての請求額を減額調整してくれます。

Q:本人から徴収していた本人負担分の健康保険料はどうなるのでしょうか?

A:

その間の当該社員の給与から控除していた本人負担の健康保険料は、会社から還付することになります。

(社会保険/短時間勤務/配偶者/被扶養者)

配偶者が短時間勤務になる時の社会保険の手続きは?


Q:配偶者(妻)が、短時間勤務になります。社会保険はどうなりますか?

A:

変更後の労働時間によって変わります。週の労働時間が30時間未満であれば健康保険・厚生年金保険の被保険者資格を失うこととなります。

Q:健康保険・厚生年金保険の被保険者資格を喪失した場合の配偶者(妻)が、健康保険の被扶養者になるための要件はありますか?

A:

被扶養者の要件は、年収130万円未満で、被保険者(夫)の年収の半分未満が目安となっています。

Q:年収の半分未満でなければ、妻は被扶養者にはなれないのですか?

A:

いいえ、年収が被保険者の年収の半分以上であっても、①130万円未満で、②被保険者の年収を上回らないときは、世帯の生計状況から総合的に考えて、被保険者が、生計維持の中心的役割を果たしていると認められる場合には、被扶養者になることができます。

Q:妻の年金保険は、どうなりますか?

A:

20歳以上60歳未満の被扶養配偶者は、国民年金の第3号被保険者に該当しますので、健康保険の被扶養者(異動)届と一体となった届書により手続きを行うことができ、国民年金の第3号被保険者として継続されます。

注1)健康保険・厚生年金保険の被保険者資格を失うのは、通常の労働者の週の労働時間の4分の3未満(週40時間の場合は、30時間未満)です。
注2)被扶養者の年収は、被扶養者が60歳以上の人または障害者の場合は、上記の「130万円未満」が「180万円未満」となります。

(厚生年金/再就職)

60歳以上で再就職した場合の年金保険料


Q:退職して60歳(65歳)からの老齢厚生年金を受給している人が、再就職して厚生年金保険を支払っても「その後どれだけ保険料を支払っても、もらえる年金額は変わらないと聞きましたが本当ですか?

A:

そんなことは、ありません。70歳未満の在職老齢年金の受給権者が、退職するか、70歳になって被保険者資格を失い、1カ月が経過すると、在職中の被保険者期間を加えて年金額が再計算・改定されます。

Q:では、在職中に支払った保険料は、将来の年金額の再計算・改定の原資になると考えて良いのですか?

A:

はい、そうです。

Q:在職老齢年金が支給停止になったり、支給停止額の変更があったりと、難しい計算式で説明されることが多いので、不安でした。

A:

確かに、60歳前半の在職老齢年金と65歳からの在職老齢年金では、計算式が違いますので分かりにくいと思いますが、年金事務所で説明してくれます。

(労働基準法/休憩時間)

勤務時間の最後に休憩して退社


Q:勤務時間の最後に休憩時間を取って退社することは可能ですか?

A:

労働基準法では、「労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩を、労働時間の途中に与えなければならない」と規定しています。
勤務時間の最後に休憩時間を取ることは認められません。

Q:現在の勤務実態では、勤務の途中にとることが難しいのですが。

A:

労働基準法では、
① 休憩は労働時間の途中で与えられる。
② 休憩中は、労働から解放されている必要がある。
③ 休憩は一斉に付与されなければならない。
という休憩時間の3つの原則が規定されていますので、法令順守と労働者の健康管理の観点から、人員増など早急な対処が必要と思われます。
尚、休憩時間を勤務の最後に取ることは、出来ませんが、休憩時間を分割して取得することは、認められています。

Q:具体的には、どのような方法ですか?

A:

例えば、60分の休憩を勤務時間の途中に30分と15分と15分のように3回に分割などの方法です。

※休憩時間の3つの原則は、一部適用除外の業種があります。詳細はお尋ね下さい。

(健康保険/退職者/被扶養認定)

退職後の健康保険加入


Q:退職した後、ひきつづき健康保険に加入することができますか?

A:

健康保険の任意継続被保険者になるためには、「資格喪失年月日の前日(退職日)までに継続して 2 カ月以上の(健康保険の)被保険者期間があれば、任意継続被保険者になることができます。

Q:どのような手続きが、必要ですか?

A:

資格喪失年月日(退職日の翌日)から 20 日以内に、協会けんぽに申出書を提出することが必要です。

Q:退職前は、被扶養者もいたのですが、引き続き被扶養者も継続できますか?

A:

「被扶養認定」を受ける家族については、生計維持関係や同居要件などの要件を満たすための書類を持参されることをお勧めします。

Q:任意継続の加入期間はどのくらいありますか?

A:

任意継続の加入期間は、2年間です。
ただし、以下の理由に該当したときは、2年を経過する前であっても、任意継続被保険者の資格を喪失します。

① 毎月の保険料を納付期限までに納付しなかったとき
② 就職等により、健康保険の被保険者となったとき
③ 被保険者が亡くなったとき
④ 被保険者が後期高齢者医療制度の被保険者となったときです。

(高齢者/求職者/失業手当/給付金)

高年齢求職者給付金の支給「65歳以上の失業手当」


Q:65歳で退職しましたが、失業保険の支給はありますか?

A:

65歳以上の被保険者が受け取れる「高年齢求職者給付金」があります。

Q:受給の条件がありますか?

A:

次の要件を満たす必要があります。
① 65歳以上の雇用保険被保険者であること
② 退職日の直前1年間に、雇用保険に6カ月以上加入していること
③ 退職した後も働く意思があり求職活動を行うことと

上の3要件を満たしているならば、事業所より離職票などの手続き書類を受け取ってください。
住居地のハローワークへ離職票を提出し、求職の申し込みをして下さい。
ハローワークで失業認定を受けることによって、給付金が支給されることになります。

Q:支給される額は、どのくらいですか?

A:

退職直前6カ月の賃金総額をもとに、基本手当日額を計算し、被保険者期間が1年未満の場合は基本手当日額の30日分、1年以上の場合は50日分、を一時金として支給されます。

*基本手当の計算式など具体的な内容は、いくつかの条件がありますので、お問い合わせください。

(育児休業/産前産後休暇/給付金)

産休前の病気休業とその後の育児休業


Q:社員が、産前休暇前に体調を崩し病気休業をしていますが、育児休業を取得し、育児休業給付金を受給することはできますか?

A:

育児休業給付金は、次の要件を満たすことによって受給することができます。
① 1歳未満の子を養育するために「育児休業」を取得していること。
② 育児休業を開始した日の前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が通算して12カ月以上あること。

Q:当該社員は、産前休暇前に妊娠による体調不良で、現在2カ月以上休業し、その後、産前産後休暇に入ると思われますが、それでも要件は満たせますか?

A:

疾病・負傷等の理由により引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった日数を、この2年間に加えた日数(最大4年)の間に、賃金の支払い基礎日数が11日以上ある月が通算して12カ月以上あれば、要件は満たせます。

Q:今回の場合は、4年以上勤務している社員ですから、要件を満たすことになりますね?

A:

そうです、要件を満たしています。

(雇用保険/定年退職/給付金)

高年齢雇用継続基本給付金


Q:高年齢雇用継続基本給付金は、どのような要件がありますか?

A:

雇用保険の被保険者であった期間が、5年以上ある被保険者で、60歳到達後も継続して雇用され、60歳以後の各月に支払われる賃金が60歳到達時点の賃金月額の75%未満である方が対象となります。

Q:支給を受けることができる期間は、どのくらいですか?

A:

被保険者が60歳に到達した月から65歳に達する月までですが、各暦日の初日から末日まで被保険者であることが必要です。

Q:60歳到達時点では、賃金月額が80%であった場合は、ずっと支給されないのですか?

A:

例えば、62歳になって75%未満となれば62歳から65歳に達するまでの期間支給されます。

Q:2年前に60歳で定年退職となり、その後継続雇用により75%未満の賃金月額で雇用されている社員で、まだ「高年齢雇用継続基本給付金」の請求をしてない場合は、支給申請は出来ませんか?

A:

支給申請に係る遅延理由書を添付したうえで、請求することによって、要件を満たした時点(60歳)に遡って支給されることになります。

(育児介護休業法/介護休業制度/短時間勤務)

介護のための短時間勤務者の介護休業


Q:介護のために短時間勤務をしている社員は、介護休業がとれるのでしょうか?

A:

介護の短時間勤務を利用しても、通算93日までの、介護休業を取得することができます。

Q:今までは、短時間勤務を含めて93日と聞いていましたが、それが、変わったのでしょうか?

A:

そうです。介護のための短時間勤務者であっても、93日間の介護休業が取得できるように法律が改正されています。

Q:他に改正されたことがありますか?

A:

これまでは、上限93日との規定があり、例えば、30日の介護休業をとると、その後は介護休業できませんでしたが、3回を上限として分割取得が可能となりました。

Q:そうすると、夫婦で可能な期間、交替で介護休業をとることもできるのでしょうか?

A:

そうです。例えば、夫婦で仕事の都合などを考え、交替しながら、介護休業をとるとすると、暦日で上限186日まで取得することが可能です。

(助成金/業務改善助成金/リフォーム)

業務改善助成金の条件


Q:店舗をリフォームしたいと考えていますが、リフォームは、業務改善助成金の対象となりますか?

A:

業務改善助成金は、業務を改善し「労働者の作業工程や作業時間を短縮化するための費用」が対象となります。
したがって、単純な店舗のリフォーム費用は、助成金対象経費とはなりません。

Q:それでは、どのような経費が対象となるのでしょうか?

A:

助成金の趣旨からすると業務効率をあげるために、店舗での小売りとあわせてネットでの販売の販売方法の改善や包装機器の導入、棚卸などの業務効率を上げるためのアイテムや機械の導入などであれば該当できると思われます。

Q:業務効率をあげるための設備等が対象となるわけですね。

A:

そうです。具体的な事例は、労働局で作成された「業務改善助成金の活用事例」がありますので、参考にして下さい。

(離職退職/離職票/特定理由)

特定理由離職者とは


Q:社員が「体力の低下」を理由に退職しました。この場合は、特定理由離職者に該当しますか?

A:

ハローワークに離職票の提出をする際には、離職理由欄の5の(2)労働者の個人的な事情による離職(一身上の都合、転職希望等)に ☑ を入れて提出します。

Q:退職する社員からは、体力の低下で退職すれば特定理由離職者となると言っていますが、「体力の低下」とは、書けないのでしょうか?

A:

離職票の具体的事情記載欄(事業主用)に「体力の低下」と記入しても、受付の段階では、「一身上の都合」として処理されます。

Q:それでは、「体力の低下」での離職は「特定理由離職者」とは認められないということですか?

A:

「特定理由離職」を最終的に判断するのは、ハローワークです。

Q:離職理由欄に「体力の低下」と記入されていなくても大丈夫ですか?

A:

離職者がハローワークに受給手続きをされる際に、「具体的理由を証明する書類」を持参されることをお勧めします。
ハローワークでは、事業主の記入した離職理由と離職者が主張される離職理由を相互に聴取し、事実の確認資料なども参考に最終的に判断することとなります。
*参考資料:「特定理由離職者の範囲と判断基準(発行・厚生労働省・ハローワーク)」

(労災保険/休業補償)

休業補償給付の支給要件


Q:労災保険の休業補償給付を受給していますが、賃金を支給された場合は、減額されるのでしょうか?

A:

労災保険の場合は、賃金の一部を支給されていても、その額が平均賃金の60%未満であれば、休業補償給付は全額支給されます。

Q:同僚が、私傷病で「傷病手当金を受給した際に、減額支給された」と聞いていますが、労災保険は減額されないのですか?

A:

労災保険給付の要件の賃金を受けないときとは、“休業1日あたり平均賃金の60%以上の賃金が支払われている場合”をいいますので、60%未満であれば、休業補償給付は、全額支給されます。
但し、労働者が、業務上の負傷または疾病による療養のため所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日に係る休業補償給付の額は、当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額の100分の60となります。

Q:賃金が40%で、労災の休業補償給付が60%とすると合わせて100%になるということですか?

A:

休業補償給付と合わせて100%の賃金支給ということは、有ります。健康保険の傷病手当金のように差額支給ということは、ありません。
労災保険の休業補償給付は、
 ① 業務災害による傷病の療養のために
 ② 労働することができないため
 ③ 賃金を受けないときに休業第4日目から休業1日につき給付基礎日額(平均賃金相当額)の60%が支給されます。

※休業期間中に賃金を支給する場合は、就業規則への定めが必要です。

(傷病手当金/健康保険/有給休暇)

傷病手当金の支給起算日と支給期間


Q:傷病手当金の支給期間の起算日は、療養の開始日となりますか?

A:

傷病手当金は、被保険者が療養のため仕事ができず、4日以上休んで給料を受けられないとき、4日目から支給されることになります。その支給開始日が起算日です。

Q:私は、休職する前に年次有給休暇を消化しましたが、その場合は、どのように考えたら良いのでしょうか?

A:

年次有給休暇中は、給与が支給されますので、その間は傷病手当金の対象となりません。従って、4日以上の年休を消化した場合、その翌日が傷病手当金の起算日となります。

Q:傷病手当金の支給期間は、その支給起算日から1年6カ月間ということですか?

A:

そうですが、1年6カ月間のうち、支給要件(※)に該当した日数分が支給されることとなります。

※傷病手当金には、次の3つの要件があります。
① 業務外の事由による病気やケガのために療養中であること。
② 仕事につけないこと(労務不能)。
③ 3日間連続して仕事を休み、4日目以降にも休んだ日があり、給与の支払いがないこと。

(就業規則/社内規定/必須項目)

就業規則策定のポイント


Q:就業規則を社内で検討していますが、どのような内容にすれば良いのでしょうか?

A:

就業規則は労働者を雇用して就業させる場合、事業主と労働者の間の決め事を文書にして定めたもので、最低限、労働基準法など関係法律に抵触しない内容で定める必要があります。

Q:定めることはどんなことでしょうか?

A:

就業規則には、最低限の必ず記載すべき事項と、特に記載してもしなくてもよい任意記載事項があります。

Q:必ず、記載すべき事項とは、何ですか?

A:

それは、
① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には、就業時転換に関する事項
② 賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期、昇給に関する事項
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)です。

Q:この3点を記載すれば、良いということですか?

A:

そうです。
当面、この内容でスタートすることは可能ですが、例えば、退職金に関する事項や服務規律、安全衛生に関する事項などを決めていれば、その事項についても記載しておくことが必要になります。

*詳しくは、お問い合わせください。

(雇用保険/掛け持ち/被保険者資格)

二事業所で働く労働者の社会保険の資格要件


Q:別の事業所で働く労働者を雇用しました。 両事業所で、合わせて週40時間の労働時間になるので「社会保険に加入できますか」との質問がありました。この場合、社会保険に加入できますか?

A:

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者資格を取得するためには、どちらかの事業所で被保険者の資格要件を満たしていれば、被保険者となることができます。

Q:被保険者の資格要件とは、具体的にはどのようなことですか?

A:

それは、① 事業所と常用的使用関係にあること、② 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、一つの事業所で一般の社員の4分の3以上である場合に資格要件を満たすこととなります。

Q:A事業所で、週25時間、B事業所で週15時間働く場合は、資格はないという事ですか?

A:

この場合は、2つの事業所とも4分の3以上の要件を満たさないことになりますので、社会保険の被保険者となることはできません。

Q:何か方法は、ありませんか?

A:

例えば、1つの事業所で週30時間の雇用契約を結ぶと、その時点で被保険者資格を取得することができます。そのうえで、別の事業所で10時間以内で雇用されることはできます。その際の賃金は、社会保険の保険料の対象にはなりません。
*詳しくは、お問い合わせください。

(雇用保険/定年退職/再雇用)

定年退職後に再雇用した場合の雇用保険


Q:定年によって退職した社員を、定年退職日の翌日から再雇用しました。雇用保険の被保険者の資格は、どのようになりますか?

A:

社員が、1日の空白もなく再雇用された場合は、雇用保険法上の「離職」とは、なりませんので、被保険者の資格の取得・喪失の届出は、不要です。従って、引き続き被保険者としておいて、差し支えありません。

Q:退職金の支払いがあっても構いませんか?

A:

雇用期間に空白がなく、単に身分の切替えにすぎないものである時は、退職金の有無または労働条件の変更の有無に関係なく雇用関係は存続することとして取り扱われますので、被保険者としておいて差し支えありません。

Q:60歳定年の場合や65歳定年の場合で何か違いはありますか?

A:

60歳に達した社員の場合は、再雇用時から「高年齢雇用継続給付金」の支給対象になりえます。対象であれば給付金の申請が可能です。
また、65歳に達した方は、被保険者の資格の得喪の手続きをすることなく「雇用保険の高年齢被保険者」となります。

(労災保険/雇用者/保険料)

事業主の労災保険への加入


Q:中小企業の事業主でも、労災保険に加入することができますか?

A:

労災保険は、本来、労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度ですが、労働者以外でも、その業務の実情、災害の発生状況などから、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の人には、特別に任意加入を認めています。

Q:どんな場合に、任意加入が認められるのでしょうか?

A:

中小企業の事業主等が、特別加入するためには、次の2つの要件を満たし、所轄の都道府県労働局長の承認を受ける必要があります。
① 雇用する労働者について保険関係が成立していること
② 労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していること

Q:費用(保険料等)は、どのくらい必要ですか?

A:

年間保険料は、保険料算定基礎額(給付基礎日額×365)に、それぞれの事業に定められた保険料率を乗じたものになります。
例えば、給付基礎日額を20,000円とした場合に、その他の事業(保険料率3/1000)では、年間保険料は、21,900円となり、建設業(保険料率12/1000)場合では、87,600円となります。

(労務/就業規則/休日)

代休と振替休日


Q:代休と振替休日は、どう違うのですか?

A:

「代休」とは、休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするものです。
一方、「振替休日」とは、予め休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすることを言います。

Q:具体的には、どのような違いがあるのでしょうか?

A:

代休は、休日労働を行った後に、特定の労働日を休みとするものであって、前もって休日を振り替えたことにはなりません。従って、休日労働分の割増賃金を支払う義務が発生するというものです。
一方、振替休日の場合は、休日を振り替えるために、予め休日と定められた日が「労働日」となり、振り替えられた日が「休日」となります。
したがって、もともとの休日に労働させた日については、「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務は発生しません。

※尚、「休日」と「労働日」が振り替えられたために、結果として一週間の労働時間が40時間(法定労働時間)を超えた場合には、時間外労働の割増賃金の支払いが生じます。

(人事採用/職業紹介/従業員への謝礼)

従業員に求職者の紹介を依頼して謝礼を払うことは問題ありませんか


Q:従業員が不足していますが、求人を出してもなかなかみつかりません。
そこで、従業員に求職者の紹介を依頼し、一定額のお礼(紹介料)を支払うことを考えています。これは、法律違反となりませんか?

A:

自社の従業員に求職者の紹介を依頼し、紹介した従業員にお礼(手当)を支払うなどの行為は、全く問題ありません。

Q:職業安定法などに抵触することもないのですね。

A:

はい、職業安定法では、被用者以外の者へ報酬を払う委託募集を行うなどの場合は、一定の法的規制がありますが、自社の従業員に対しては、そのような規制はありません。

(裁判員制度/労働基準法/公民権)

従業員が裁判員に選ばれた際の会社の対応


Q:従業員が、裁判員に選ばれました。
その職務に就くための「休暇願」が出されましたが、会社はどのような対応を取るべきでしょうか?

A:

裁判員の職務を遂行するために必要な時間を請求した場合には、使用者は拒むことはできません(労働基準法第7条:公民権行使の保障)。

Q:欠勤扱いではなく、有給で保障すべきですか?

A:

労働基準法では、有給休暇とするか、無給休暇とするかは、会社の判断に委ねています。

Q:就業規則には、特別休暇として規定し有給保障を検討したいと考えていますが、その内容で問題ありませんか?

A:

問題ありません。
裁判所や法務省でも、「特別な有給休暇として対応いただくなど、出来る限りのご配慮をお願いします」と協力を呼び掛けています。

(育児休業/社会保険料/標準報酬月額)

育児休業終了時の社会保険の標準報酬月額


Q:社員が、育児休業を終了し職場に復帰します。
出産前より就業時間を減らして勤務することになり、給与が下がりますが、この場合の標準報酬月額はどのようになりますか?

A:

育児休業を終了した日の翌日が属する月以後3カ月間に受けた報酬の平均を基準として、標準報酬月額を改定することになっています(育児休業等終了時報酬月額変更届という)。

Q:4月30日に育児休業が終了した場合について、具体的に教えて下さい。

A:

①5月・6月・7月の報酬月額の平均を算出し、②平均報酬月額から標準報酬月額を算出します。③育児休業取得前の標準報酬月額と1等級でも差があれ ば、改定することができます。

Q:いつから、改定されますか?

A:

この場合の標準報酬月額は、8月から適用されます。
その後、随時改定(給与の増減に基づく)がなければ、翌年の8月まで有効です。

※平均の報酬月額を計算する3カ月のうち、少なくとも1か月は、報酬支払基礎日数が、17日以上あることが必要です(特定適用事業所の短時間労働者は、11日以上)。

(育児休業/社会保険料/保険料の免除)

2歳までの育児休業も社会保険料が免除


Q:平成29年10月より、育児休業が2歳までに延長されたと聞きました
その場合も社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)の免除対象となりますか?

A:

育児休業法(※)の改正に伴って、保育所待機等特別な事情がある場合、1歳6カ月から2歳に達するまでの子どもの育児休業について、保険料免除の申出を行えば、免除の対象となりました。

Q:手続きの方法を教えてください。

A:

現在、育児休業中であり、すでに保険料の免除を受けられている場合、1歳6カ月以降も保育所待機等の条件を満たせば、事業主に、延長の手続きの申出を行うことで、適用されます。

※「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」

(労働保険/事業所の開設)

新しく事業所を開設した時の労働保険の加入手続き


Q:新しく事業所を開設したところ、「労働局より、労働保険の加入手続きについて」の通知が届きました。
事業所毎の手続きが必要ですか?

A:

「労働保険」は、労災保険と雇用保険を総称したもので、政府が管理・運営している強制的な保険です。
1人でも労働者を使用している事業主は、加入が義務付けされています。

Q:新しく開設した事業所も、経理を含めて本社で一括して処理をしているのですが、それでも手続きが必要でしょうか?

A:

必要です。
この場合は、事業所の所在地毎に、管轄の労働基準監督署に「保険関係成立届」を届出し、都道府県労働局に「継続事業の一括」の申請を行い、認可が必要です。

Q:「継続事業の一括」とは、何ですか?

A:

これは、経理事務を本社等で一括して集中処理をしている場合、事務処理の軽減を図るため、企業全体の複数事業所の労働者を、1つの事業に従事する労働者とみなし、全労働者の労働保険関係を一元的に処理する制度です。

注:継続事業の一括の要件は、以下のとおり。

  1. 事業主が同一人であり、2以上の継続事業であること
  2. それぞれの事業について成立している保険関係が同じであること
  3. それぞれの事業が、労災保険料率表による事業の種類を同じくすること
  4. 事業主が一括の申請をし、都道府県労働局長の認可を得ること

(傷病手当/病気療養/健康保険)

傷病手当金の支給を受ける条件


Q:病気で仕事を休むこととなりました。
健康保険から傷病手当金が支給されると聞きましたが、どのような条件がありますか?

A:

次の3つの要件を満たせば、傷病手当金は支給されます。
①業務外の事由による病気やケガのために療養中であること。
②仕事につけないこと(労務不能)。
③3日間連続して仕事を休み、4日目以降にも休んだ日があり、給与の支払いがないこと。

Q:病気療養中に、退職して資格を喪失した場合は、どうなりますか?

A:

資格を喪失した場合でも、次の2つの要件に該当すれば、引き続き支給を受けることが出来ます。
①資格喪失日の前日(退職日等)までに、被保険者期間が継続して1年以上(任意継続被保険者期間は除く)あること。
②資格喪失日の前日(退職日等)に傷病手当金を受けているか、または、受けられる状態(前述の3つの要件を満たしている)にあること。

Q:支給期間と支給額は、どのくらいですか?

A:

支給期間は、支給が始まった日から1年6カ月の期間で、支給を受ける条件を満たしている日について支給されます。
支給額は、支給開始日以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2(67%)です。

(被災/九州北部豪雨)

九州北部豪雨による休業の救済措置


Q:7月の九州北部豪雨により休業している事業主や労働者への救済措置は、ありますか?

A:

事業所が大雨により直接被害をうけ、労働者が一時的に離職する場合には、雇用保険の失業手当を受給できる特例措置があります。

Q:特例措置を受けるための条件は、ありますか?

A:

災害救助法適用地域における事業所が災害により休止・廃止して、一時的に離職した場合、離職日前1年間に6カ月以上雇用保険の被保険者期間がある等の要件を満たす必要があります。

Q:特例措置を利用して、失業給付を受給したら、これまでの雇用保険の被保険者期間は、どうなりますか?

A:

休業が終了し、新たに雇用保険被保険者の資格を取得しても、当該休業前の被保険者であった期間は、通算されませんので、制度利用にあたっては、留意する必要があります。

Q:事業主に対する措置は、ありますか?

A:

休業を余儀なくされた事業主が、労働者に休業についての手当を支払えば、雇用調整助成金が利用できます。

Q:どのくらいの助成金が、あるのでしょうか?

A:

労働者に支払った休業手当相当額の3分の2(中小企業の場合)です。
また、財産に相当な損害を受け、納付すべき保険料(厚生年金保険料・健康保険料等)を一時に納付することが出来ない場合は、納付猶予の措置もあります。

(医療費/社会保険/限度額)

社会保険の被扶養家族の医療費の限度額


Q:社員が、被扶養家族の入院により「限度額適用認定」を受けたいそうです。手続きを教えて下さい。

A:

健康保険協会へ「健康保険 限度額適用認定申請書」を提出すれば「認定証」が届きます。
医療機関に受診される際に、「健康保険証」と合わせて「限度額認定証」を提示されれば、窓口でのお支払いが自己負担限度額までとなり、窓口でのお支払額が軽減されます。

Q:認定証の有効期間は、どのくらいですか?

A:

申請書を受け付けた日の属する月の初日から、最長で1年間の範囲となっています。

この認定証は、70歳未満の方が対象です。70歳以上75歳未満の場合は、申請の必要はありません。
70歳以上の方は、「高齢受給者証」を保険証と合わせて提示することにより、窓口でのお支払いが自己負担限度額までで済みます。

(育児休業/社会保険/年金)

育児休業から職場復帰した時の社会保険


Q:育児休業後に、職場に復帰し、短時間勤務の希望を出しています。そうすると、短時間勤務となり、当然、給与が下がります。社会保険料はどうなりますか?

A:

育児休業終了直後は、休業前の標準報酬月額がそのまま用いられますが、事業主を経由して「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出することによって、保険料の改定が行われ、実際の給与の変動に応じて標準報酬月額が変更され、保険料が減額変更されます。

Q:復帰後3か月の平均で、標準報酬が2等級以上下がらなければ、変更改定されないと聞いたのですが?

A:

育児休業終了時標準報酬月額変更届による改定では、2等級以上の差がなくても、復帰後の3か月間に受けた給与の平均額にもとづき、その翌月から、新しい保険料が決められます。
この措置は、産前産後休業終了時報酬月額変更による改定についても適用されます。

Q:保険料が下がれば、将来の年金額が減らされるのでしょうか?

A:

いいえ、3歳未満の子を養育する期間の報酬月額が、養育開始前に比べて下がる場合でも、「特例申出書」を提出することによって、「従前報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして」年金額が計算されます。
したがって、年金額は育児休業以前の標準報酬によって計算されます。

*「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」は、養育期間中の報酬の低下が、将来の年金額に影響しないように導入された措置です。

(労災/交通事故/自賠責保険)

通勤時の交通事故の補償


Q:従業員が、通勤途中の交通事故で休業しているのですが、労災の手続きは必要ですか?

A:

自動車事故等の場合は、自動車損害賠償責任保険 又は労災保険に対して請求することが出来ます。

Q:従業員の話では、「自賠責保険プラス任意保険で処理した方が有利だと聞いた」と言っていますが?

A:

自賠責保険における査定内容は、労災保険の給付より幅が広く、内払金や仮渡金等により早期に支払いが行われる制度があるため、自賠責保険から先に支払いを受けた方が有利といえます。

Q:では、労災の手続きはしなくて良いのでしょうか?

A:

自賠責保険の支払い限度額(120万円)を超過した場合は、労災保険からの保険給付を受けられることをお薦めします。

Q:任意保険で補填されると聞いたのですが?

A:

事故の責任割合が、仮に8対2であった場合、被害者(従業員)の2割の責任分についての補償は、任意保険からの支払いは有りませんので、その分については、少なくとも労災保険へ請求することができます。
また、特別支給金(休業の場合:給付基礎日額の20%相当額)については、自賠責保険等との支給調整はありませんので、労災への請求が可能です。

*どちらを先に受けるかについては、被災労働者が自由に選ぶことができます。
 但し、加害者と示談を行う場合には必ず事前に所轄の労働基準監督署に相談して下さい。

(教育訓練/給付金/一般教育訓練/専門実践教育訓練)

教育訓練給付制度の対象となる研修


Q:教育訓練給付制度について、詳しく教えて下さい。

A:

雇用保険に加入している(されていた)方が、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し、修了された場合に、掛かった費用の 20 %(上限 10 万円)が、ご本人に支給される制度です。

Q:どのような教育訓練(講座)が指定されているのですか?

A:

訪問介護員資格、情報処理技術者資格、簿記検定、社会保険労務士資格などをめざす多彩な講座が指定されています(ハローワークでも確認できます)。

Q:40 %支給されると聞いたのですが?

A:

教育訓練給付は、「一般教育訓練給付」と「専門実践教育訓練給付」があり、40 %支給されるのは「専門実践教育訓練給付」です。 雇用保険被保険者期間が 10 年以上(初回に限り、2 年以上)であるものを対象に 40 %(上限は年間 32 万円)に相当する額が支給されます。
また、受講修了日の翌日から 1 年以内に被保険者として雇用された方又は既に雇用されている方に対しては、さらに 20 %が加算されて合計 60 %(上限 48 万円)に相当する額が給付されます。

*一般教育訓練給付の対象者は、雇用保険被保険者期間が 3 年以上(初回に限り、1 年以上)又は雇用保険の被保険者でなくなった(離職した)日から 1 年以内の方です。

(65歳以上/雇用保険/給付金)

65歳以上の労働者に雇用保険の適用拡大にメリット


Q:これまで、65歳以上で雇用された場合は、雇用保険の対象外でしたが、「1月より被保険者になります。」と言われました、何が変わるのですか?

A:

雇用保険の各種の給付金の対象となります。

Q:どんな給付があるのですか?

A:

以下の4つの給付金があります。
① 高年齢求職者給付金
② 育児休業給付金
③ 介護休業給付金
④ 教育訓練給付金。

Q:具体的には、どんな給付金ですか?

A:

高年齢給付金は、離職した場合、受給要件を満たすごとに給付金が支給され、年金との併給も可能です。
被保険者であった期間が1年以上の場合は基本手当日額の50日分、1年未満の場合は基本手当日額の30日分です。

育児休業給付金や介護休業給付金は、それぞれの休業期間中に休業前の賃金の67%の給付金が支給されます。
教育訓練給付金は、教育訓練(厚生労働大臣が指定する訓練)を開始する日において高年齢被保険者であること、または、離職日の翌日から訓練開始までの期間が1年以内の方も、要件を満たせば支給対象となります。
給付金の額は、訓練に要した費用の20%に相当する額で、上限は10万円です。

(労災/復職/補償/賃金)

「半日勤務での復職」と休業補償給付


Q:労働災害で休業中の従業員から、「半日勤務で復帰したい」との申し出がありましたが、休業補償給付金は、受給できますか?

A:

休業補償給付は、半日勤務であっても復帰すれば「労働できる」と判断されるために休業補償給付金は受給できません。

Q:従来の業務に就くことが出来なくて、軽作業に就いた場合はどうですか?

A:

軽作業の業務に復帰した場合も、休業補償給付は受給できません。
休業補償給付は、あくまでも、
① 業務災害により療養していること
② その療養のために労働することができないこと
③ 労働することが出来ないために賃金を受けていないこと
の全てに該当することが要件となっています。

(育児/介護/休業/給付金)

介護休業給付の支給対象


Q:同居していない実妹を介護するのですが、介護休業給付金の支給対象となりますか?

A:

現行の育児・介護休業法は、祖父母、兄弟姉妹及び孫については「同居し、かつ扶養している」ことが要件となっていますので、この場合は対象とされません。

Q:法律が、改正されると聞いたのですが?

A:

平成29年1月1日より、育児・介護休業法が改正され、「同居し、かつ扶養している」という要件が解除されます。
従って、来年以降は、同居されなくても支給対象家族とされます。

Q:その他、改正はありませんか?

A:

介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の所定労働時間の短縮措置や介護終了まで利用できる所定外労働の制限(残業の免除)などが規定されています。

尚、介護休業給付金の支給率が40%から67%にアップされています。
(平成28年8月1日以降に開始する介護休業から適用されています)

(退職/有給休暇)

退職時の年次有給休暇の取り扱い


Q:従業員が退職時に年次有給休暇(有給休暇)を請求しましたが、認めるべきですか?

A:

労働基準法では“有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならない”と規定されています。

Q:就業規則で「退職に当たっては、担当業務につき所定の引継ぎをしなければならない」と規定しています。
この場合はどう考えれば良いですか?

A:

業務の正常な運営を図るため所定の引継ぎを求めることは当然です。
本人と協議して引き継ぎに必要な日数だけ退職日を遅らしてはどうですか。

Q:退職日を遅らすことに労働者の了解が得られない場合は、どうすれば良いでしょうか?

A:

その場合は、所定の引継ぎの日数について、給与の支払いをおこなう(有給休暇の買い上げ)の方法が考えられます。

Q:有給休暇を買い上げてもいいのでしょうか?

A:

有給休暇は“休みを与えること”が法の精神で、金銭の支払いによって有給休暇を与えないことは、労働基準法違反とされています。
しかし、退職時に有給休暇が残った場合は、有給休暇を買い上げても必ずしも違反とはなりません。

(育児休暇/有給休暇)

育児休業から復帰した時の年次有給休暇の取り扱い


Q:育児休業を取得後に、10月より職場復帰する社員がいます。
この社員の有給休暇の付与日数は、4月から9月までの6か月間は、育児休業で勤務していませんから、有給休暇も通常勤務者の半分である10日(通常勤務者は20日)と考えでよろしいでしょうか?

A:

年次有給休暇請求権は、前年の出勤率が80%以上の場合に、一定の日数が発生すると規定されています。
しかし、この出勤率の計算にあたって、育児休業や産前産後休業をした期間については、出勤したものとみなすとされています。
従って、4月から9月までが育児休業の期間は、出勤率100%として扱う必要があり、年次有給休暇請求権を半分(20日を10日に)にすることはできません。

Q:その社員が、前年度の年次有給休暇を5日分残していますが、その5日分も加算されるのでしょうか?

A:

前年度の分であれば、翌年までは請求権が残っていますので、加算する必要があります。

*労働基準法 第39条第8項では、産前産後や育児・介護休業以外に「業務上負傷し、又は疾病にかかり休業した期間」も同様に勤務したものとみなすと規定されています。

(社会保険/配偶者)

健康保険(社保)の被扶養者要件


Q:従業員の配偶者が当社の社会保険(健康保険)の被扶養者です。
その配偶者が別の会社に就職をしましたが、その事業所では、社会保険への加入手続きをしていない場合、当社はどうすれば良いでしょうか?

A:

配偶者がお勤めの事業所が、法人の場合は、「強制適用事業所」に該当し、社会保険の適用事業所としての責任を果たすことが求められます。
しかし、その事業所が個人事業所で、従業員が5人未満である場合と、サービス業の一部や農林漁業などの非適用業種の事業所であれば、任意適用事業所となり、従業員の同意がなければ、加入できません。

Q:配偶者の事業所の従業員は、4人と聞いていますので、任意適用と思われますが、その場合は、当社でずっと被扶養者の取扱いで良いのでしょうか?

A:

配偶者の勤務が継続し年間130万円以上となれば、国民健康保険への加入が求められます。
それは、健康保険の被扶養者とできる年収要件が「130万円未満で被保険者の半分未満が目安」とされているからです。(但し、対象者が60歳以上または障害者の場合は、「130万円未満は、180万円未満となります)
 詳細な内容等は、お気軽にお尋ね下さい。

(パート従業員/社会保険)

短時間労働者の社会保険加入の義務付け


Q:短時間労働者も10月から社会保険に加入しなければならないのですか?

A:

同一事業主の適用事業所で被保険者の合計が、501人以上が見込まれる事業所(特定適用事業所という)では、平成28年10月より、短時間労働者も加入対象となります。

Q:加入が義務付けられる短時間労働者の要件を教えて下さい。

A:

勤務時間・勤務日数が常時雇用者の4分の3未満で、以下の①~④の全てに該当する方が対象です。
① 週の所定労働時間が20時間以上であること。
② 雇用期間が1年以上見込まれること。
③ 賃金月額が8.8万円以上であること。
④ 学生でないこと。
 詳細な内容等は、お気軽にお尋ね下さい。

(役員報酬/健康保険)

会社役員の傷病手当金


Q:役員が病気で療養する場合、健康保険の傷病手当金を受けることが出来ますか?

A:

会社の役員も健康保険の被保険者であれば、通常の社員と同様に傷病手当金の支給対象となります。

Q:役員の場合の支給手続きはどうなりますか?

A:

通常、役員報酬は、実際は病気やけがで短期間会社を休んでも役員報酬は減額されない場合が殆どです。 その場合、当然傷病手当金は支給されません。

Q:支給される場合の条件は?

A:

原則的には、療養期間は役員報酬を一時的に不支給とすることが必要です。

Q:支給の手続きは?

A:

通常の申請書の他に、株主総会または取締役会等で「療養中は一時的に役員報酬を不支給とする」ことを決議し、その議事録の写しを添付して支給申請を行います。

(長期休暇/解雇制限/通勤時の交通事故)

通勤時の交通事故と解雇制限


Q:通勤時の交通事故で長く休んでいる従業員がいます。この場合も、労働基準法の解雇制限が適用されるのでしょうか?

A:

労働基準法では、「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間およびその後30日間は、解雇してはならない」(労働基準法第19条)と定められています。
したがって、通勤時災害は、業務上の負傷や疾病にあたらないために、解雇制限は適用されません。

Q:業務上の負傷以外に、解雇の制限が適用されることがありますか?

A:

産前産後の女性が「産前産後休暇」(同法65条)の規定によって休業する期間およびその後の30日間は、解雇してはならない」(同法19条)と規定されています。

(パート従業員/特別休暇/時給契約)

非常勤の年末年始休暇の給与


Q:年末年始の休暇は、非常勤の職員にも給与を払うべきですか?

A:

年末年始休暇は、就業規則ではどう規定されていますか?

Q:就業規則では、年末年始の休暇を特別休暇とし、正規職員(月給制)については「通常の給与を支払う」としています。 非常勤の職員は別に定めることとして雇用契約書で時間給を決めています。

A:

その雇用契約ですと非常勤の職員の場合は、時給を決めた契約となっていますので、勤務しない年末年始休暇については、給与を支払う必要はないと思われます。

(介護保険/マイナンバー/認知症/代理権者)

介護保険の申請等とマイナンバー(個人番号)


Q:マイナンバー制度の運用開始にあたって、介護保険サービスの適用や受給申請時などに個人番号の記入が義務化されると聞いたのですが、本当ですか?

A:

原則的には、介護保険制度の利用者がおこなう場合は、個人番号の記載をするよう通達が出されています。

Q:本人が認知症等で明確な意思表示ができない場合はどうなるのでしょうか?

A:

その場合、成年後見人制度等による代理権者がいる場合には、その代理権者が、利用者に代わって個人番号の記載をするものと定められています。

Q:利用者本人が認知症等によって代理権の授与が困難な場合はどうなるのでしょうか?

A:

その場合の個人番号の記載等の取扱いについては、平成27年12月15日付けの厚生労働省の事務連絡が出されています。

Q:それは、どのような内容ですか?

A:

厚生労働省の事務連絡では「認知症が進むなどで、自分で個人番号を書類に記入するのが難しく、代理人もいない高齢者には記入の免除を認める」こととされ、「申請書に個人番号を記載せずに市町村に提出すること」とされています。

(ストレスチェック/職場改善)

ストレスチェック制度


Q:平成27年12月より施行されたストレスチェック制度とは、どんな制度ですか?

A:

労働者のストレスの状況について定期的にチェックし、その結果を本人に通知し、メンタルヘルス不調のリスクを未然に防止する制度です。

Q:具体的には、どんなことですか?

A:

ストレスに関する質問票に記入し、それを集計・分析することでストレスの状況を調べる簡単な検査です。

Q:すべての事業所が実施しなければなりませんか?

A:

労働者が50人以上の事業所では、毎年1回、この検査を全ての労働者(*)に対して実施することが義務付けされました。

Q:事業所にとっては、どんなメリットがありますか?

A:

労働者がストレスをためないよう対処し、ストレスが高い状態の場合は、医師の面接や助言をもらい、職場改善につなげることができます。
実施状況は、毎年1回労働基準監督署に報告する必要があります。

*契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は、義務の対象外です。
 具体的な制度の導入準備や方法についての詳細などは、お気軽にお尋ね下さい。

(社会保険料/休職期間/資格喪失)

休職中の社員の社会保険料


Q:休職中で無給になっている社員より、「社会保険料が高くて払えない」といわれましたが、どうすれば良いですか?

A:

休職期間は、健康保険と厚生年金の資格喪失手続きをとれば、無給期間中の保険料を支払う必要はありません。

Q:休職でも、資格喪失は出来ますか?

A:

社会保険は、労働時間と労働日数で、一般社員の4分の3以上である時は、被保険者として取り扱うべきとされています。
休職期間中は、労働の実態がなく無給ですので、被保険者の資格喪失は可能です。

Q:資格喪失している期間は、健康保険については、配偶者の被扶養被保険者となれますか?

A:

資格喪失証明書を配偶者の勤務する会社に提出し、被扶養者の届出をしてもらうことで被扶養被保険者の資格が取得できます。

Q:厚生年金はどうなりますか?

A:

社会保険の喪失手続きをすれば、健康保険と同時に厚生年金保険の被保険者資格も喪失しますので、配偶者の会社で健康保険の被扶養被保険者の手続きと同時に、国民年金の第3号被保険者該当届の手続きをしてくれるでしょう。

(有給休暇/残業代)

有給休暇を取得した週の時間外割増賃金


Q:1日8時間、1週40時間の労働時間となっている事業所ですが、年次有給休暇を取得した際の割増賃金は必要ですか?

A:

具体的には、どのような場合ですか?

Q:月曜日に有給休暇を取得し、火曜日から土曜日までの5日間を1日8時間働いた場合です。

A:

この事例では、有給休暇の月曜日を含めると、1週間に48時間となりますが、有給休暇を取得した8時間については、実労働したわけではありませんので、土曜日に働いた8時間は割増賃金の対象とはなりません。
したがって、この週の賃金は、実労働40時間と有給休暇8時間の合計48時間分相当の賃金を支払えば良く、割増賃金(125%)を支払う義務はありません。

(高年齢者/継続雇用/支給要件の変更)

特定就職困難者雇用開発助成金について


Q:高年齢者や母子家庭の母等に対する助成金の支給要件が厳しくなったと聞きましたが、具体的にはどのような内容でしょうか?

A:

今回、特に厳しくなったこととして、有期雇用契約において、勤務成績等により契約更新の有無を判断する場合等は、継続して雇用することが確実であると認められず、支給対象とはならなくなったことです。
また、有期契約であっても、自動更新できる場合のみが対象です。
これは、この助成金の趣旨が、高年齢者等の不安定な雇用環境の改善の目的を達成するために厳格な基準が設けられたものです。

Q:継続して雇用することが確実であるとは、どんな場合ですか?

A:

対象労働者を雇用保険の一般被保険者として65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、2年以上継続して雇用することが確実であることが求められています。
例えば、63歳に達した労働者を雇用した場合は、労働者が希望すれば2年以上の雇用が必要となります。

(育児休業/パート従業員/期間雇用/給付金)

パート労働者や期間雇用労働者の育児休業について


Q:パート労働者ですが、子どもが 1 歳になるまで、育児休業がとれて、育児休業給付金も支給されると聞きましたが本当ですか?

A:

育児休業は取得できます。
育児休業給付金の受給要件には、
① 1歳未満の子を養育するために「育児休業」を取得した雇用保険の被保険者が、職場復帰を前提に育児休業を取得するものであること
② 休業を開始した日の前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が、通算して12か月以上あることとなっています。

Q:期間の定めのある「期間雇用労働者」も受給できますか?

A:

期間雇用の方は、上記の要件に加えて、
① 同じ事業主の下で、1年以上雇用が継続していること
② 育児休業の対象である子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用される見込みがあることなどの条件があります。

Q:休業給付金は、いくらですか?

A:

休業に入られる前の賃金日額の3分の2(約67%)が、休業開始時から、支給されます。

*育児・介護休業規程は、事業所毎に決められていますので、上記の内容を超えて規定されている場合もあります。 ご不明な点などは、お気軽におたずね下さい。

(高年齢者/有期雇用/無期転換/特別措置)

雇用の無期転換ルールの特例について


Q:平成27年4月1日より、定年に達した後、引き続いて雇用される有期雇用労働者についての特例措置が出来ると聞きましたがどんなことですか?

A:

通常は、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて反復して更新された場合に無期転換申込権(雇用期間の定めがない雇用とする契約)が発生しますが、都道府県労働局長の認定を受けた場合には、特例が認められ無期転換申込権(同)が発生しないことになります。

Q:事業主が、認定を受けるための条件は、どのような内容ですか?

A:

特例の適用を受けるためには、適切な雇用管理に関する計画の認定申請が必要です。
また、申請書の作成にあたっては、関係する労働者の理解と協力を得るよう努めることが求められています。
尚、特例の対象は、定年まで無期雇用だった労働者で、定年に達した後引き続いて雇用される有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)です。

*これは、有期雇用特別措置法といいますが、定年後の継続雇用の高齢者と専門的知識等を有する有期雇用労働者についての特例となっています。

(再就職手当/受給要件)

雇用保険の再就職手当について


Q:雇用保険の再就職手当は、どんな場合に支給されますか?

A:

雇用保険の被保険者が失業したあとに、ハローワークに行き雇用保険の受給資格の決定を受けた後に 早期に安定した職業に就き、又は事業を開始した場合に支給されます。

Q:他に要件は、ありますか?

A:

再就職手当の受給要件としては、次の要件などがあります。

  1. 受給資格の決定後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと。
  2. 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
  3. 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。
  4. 離職理由により給付制限がある方は、求職の申し込みをしてから、待期期間満了後の1カ月の期間は、ハローワーク等の紹介によって就職したものであること。
  5. 1年を超えて勤務することが確実であること。原則として雇用保険の被保険者になっていること。

この他にも、いくつか要件がありますので、詳細はお尋ね下さい。

(個人企業/中小企業/退職金/掛け金)

中小企業退職金共済制度


Q:中小企業退職金共済制度(中退共制度)とは、どのような制度ですか?

A:

中小企業事業主の相互共済の仕組みと国の援助で確立された退職金制度です。運営は、独立行政法人勤労者退職金機構が行っています。

Q:加入するとどのようなメリットがありますか?

A:

掛金の一部を国が助成しますので、有利です。
掛金は、法人の場合は損金、個人企業の場合は必要経費として原則全額非課税扱いとなります。従業員の給与所得にもなりません。

Q:掛金月額は、いくらですか?

A:

5,000 円から 30,000 円まで 16 種類と短時間労働者特例掛金が別途 3 種類あり、毎月の掛金は口座振替によって自動的に納付できます。

Q:退職金の支払いはどのようになりますか?

A:

退職金は機構から直接退職者に支払われることとなり、退職金の管理が簡単です。

Q:掛金の管理などの安全性はありますか?

A:

法律に定められた国の制度ですので、安全に管理運用されます。
また、退職金の額は、予定運用利回りを年 1.0 %として法令により定められています。

(雇用保険/年金/高年齢者/基本手当/受給期間)

雇用保険の基本手当と年金の併給


Q:40年以上働き続けて64歳で退職しました。雇用保険の基本手当の受給はできますか?
 基本手当をもらうと年金が全額カットされると聞いたのですが、残業代の支払い義務がない管理監督者には、どのような条件がありますか?

A:

60 歳から 64 歳までは、求職の申し込みをすれば、年金は全額ストップされます。
しかし、65 歳以降手続きを行なえば、老齢年金との併給調整がされませんので老齢年金と雇用保険の基本手当は、両方とも全額支給されることになります。

但し、基本手当の受給期間は、離職の日の翌日から起算して 1 年間ですので、定年退職等で一定期間求職の申し込みをしないことを希望される場合は、その日数(最大 1 年間)を受給期間に加えることができます(手続きは、離職日の翌日から起算して最大 2 か月以内です)。

※雇用保険の基本手当は、65 歳未満で離職した場合に支給され、20 年以上の被保険者期間で支給日数は、150 日分ですが、65 歳に達してから離職すると基本手当は支給されず、高年齢求職者給付金の支給となり、50 日分の一時金となります。

(管理監督者)

管理監督者の条件


Q:残業代の支払い義務がない管理監督者には、どのような条件がありますか?

A:

管理職が、労働基準法でいう「管理監督者」にあたるかどうかによって、残業代の支払いが必要とされるか否かが決まります。
管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にある者とされており、次の点を総合的にみて判断されます。

  1. 重要な職務と権限が与えられていること。
  2. 出退勤について管理を受けないこと。
  3. 賃金面で、その地位にふさわしい待遇がなされていること。

(雇用保険/健康保険/失業給付)

雇用保険受給中に健康保険の被扶養者になれるか


Q:雇用保険の失業給付を受けていますが、健康保険の被扶養者になれますか?

A:

雇用保険の失業給付を受けていても、基本手当日額が 3,612 円未満(60 歳以上は 5,000 円未満)の場合、年間に換算すると 130 万円未満(60 歳以上は180万円未満)の収入となり、健康保険の被扶養者になることができます。

Q:失業給付の基本手当日額が 3,612 円以上ですが、所定給付日数が 1 年に満たないため受給総額が年間 130 万円未満となります。この場合、健康保険の被扶養者になれますか?

A:

退職をした場合の被扶養者の認定については認定時の収入で判断します。

認定時の基本手当日額が 3,612 円以上(60 歳以上は 5,000 円以上)の場合、失業給付の受給期間中は被扶養者となることはできません。

(社会保険料/同月得喪)

入社したその月内に退職した従業員の社会保険料の徴収


Q:従業員が、入社した月の中途で退職するのですが、社会保険料はどのようになりますか?

A:

健康保険・厚生年金保険は、原則として月の末日に被保険者である場合に、その月の1か月分の保険料が発生します。

しかし例外として「同月内」に資格を取得し、喪失した場合は、月の末日に被保険者ではなくとも、その月の1か月分の保険料が発生しますので徴収して下さい。

これを「同月得喪(どうげつとくそう)」といいます。
たとえ1日しか在籍していなくても、健康保険料も厚生年金保険料も1か月分をおさめなくてはならないことになっています。 社会保険料は労使折半なので、会社も労働者も保険料を負担しなければなりません。

(賃金支払い)

賃金支払いの5原則


Q:賃金の支払い方に決まりがありますか?

A:

賃金は、全額確実に労働者に渡るように、支払い方には次の5つの原則があります。

賃金は、① 現金で、② 直接労働者本人に支払わなければならず、代理人や親権者等に代わりに支払うことはできません。
また、③ 賃金はその全額を、④ 毎月1回以上、⑤ 一定の期日を定めて支払わなければなりません。

Q:今、会社では、現金でなく銀行振り込みの方法で支払っていますが、これはダメなのですか?

A:

賃金の支払いにはいくつかの例外規定があります。
①の「現金で」は原則です。労働者の同意を得た場合は、②の「直接労働者本人に」の規定に基づいて本人名義の銀行口座への振り込みによる支払いができます。
また、③の「賃金はその全額を」についても、所得税や社会保険料など法令で定められているものは控除することが認められています。

(パート従業員/有給休暇/休暇日数)

年次有給休暇の比例付与


Q:採用時は、週の労働日が4日のパート従業員の方が、4か月目から週の労働日を5日に増やした場合、何日の年次有給休暇を付与すれば良いでしょうか?

A:

年次有給休暇は、雇入れの日から6か月継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者に付与されます。 4か月目では、この条件を満たしません。

年次有給休暇は、条件を満たした時点の契約内容を基準として付与しますので、6か月経過した時点の所定労働日が週5日であれば、年 10 日間の有給休暇を付与しなければなりません。

ただし、条件(雇用から6か月経過・8割以上の出勤)を満たした場合でも、週の所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が 30 時間未満の場合は、年 10 日間でなく、週の所定労働日数に応じて「年次有給休暇の比例付与」が適用されます。

年次有給休暇の比例付与日数
週所定
就労日数
年間所定
就労日数
勤続年月数

6か月
1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月以上
4日169日~216日7日8日9日10日12日13日15日
3日121日~168日5日6日6日8日9日10日11日
2日73日~120日3日4日4日5日6日6日7日
1日48日~72日1日2日2日2日3日3日3日

(介護施設/宿直勤務)

介護施設等の宿直勤務の許可基準


Q:介護施設の「宿直」の許可基準について教えて下さい。

A:

原則として
① 通常勤務が継続する者ではなく、火災や盗難予防のための巡視など、非常事態発生に備えること等を目的とし、
② 「宿直」の勤務回数は、週1回以下であること、
③ 相当の睡眠設備を設けていること、
④ 1回の宿直手当の金額は、宿直勤務に当たる労働者の1人1日当たりの平均賃金の3分の1以上とし、
所轄の労働基準監督署へ許可申請を行う必要があります。

尚、宿直勤務を専門に行う労働者を雇用して宿直に当たらせる場合は、別の基準があります。

詳細は、お尋ね下さい。

(疾病/休業手当)

新型インフルエンザによる休業に手当は?


Q:労働者が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合は、休業手当を支払う必要がありますか?

A:

労働基準法第26条は「使用者の責めに帰すべき事由による休業」については休業手当を支払うように定めています。

新型インフルエンザに感染して、医師等による指導により労働者が休業する場合は、一般的にはこの規定に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
医師や保健所による指導を超えて、会社が、他の従業員に感染の危険があることとして休業させる場合(外出自粛期間経過後など)には、一般的に「使用者の責めに帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

(高年齢者/継続雇用/在職老齢年金)

高年齢者雇用継続給付金とは?


Q:高年齢者雇用継続給付金について教えて下さい

A:

60歳以降も継続して働かれる場合に次の要件を満たせば雇用保険から給付されます。

  1. 主な受給要件
    • 60歳以降も継続勤務し、60歳直前の賃金の75%未満に低下
    • 今までに5年以上雇用保険に加入
    • 引き続き雇用保険に加入
  2. 受給額(月額)
    • 継続勤務時の賃金の最大15%
  3. 受給期間
    • 60歳~65歳になるまで

尚、高年齢雇用継続給付を受けると、在職老齢年金は、賃金割合に応じて60歳以降の賃金(標準報酬月額)の最大6%が減額されます。